電話と個人情報

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 日本でも最近少しは意識し始めてきたのだろうか。「個人情報流出」という"事件"も聞くようになった。

 イギリスでは個人情報をみだりに第三者に渡さないという常識がある。例えば家の前に表札を出したりしない。"39"とか、番地を示す番号をドアに貼っているだけだ。例外は店舗などの自営業か、一部の聖職者ぐらい。

 職場の同僚にかかってきた電話を取り次いだ時のこと。あいにく彼は不在。"後でこちらから掛けさせるので、そちらの電話番号を教えてください"と言ったところ、"それはセキュリティー・パーパスのため、ダメです"との答え。

 セキュリティー・パーパス?電話番号と安全とどういう関係があるんだ?

 イギリスでは見ず知らずの人に電話番号を教えることは、何らかの犯罪に巻きこまれたり、被害に遭ったりするリスクが増えると考えるのが普通。だから教えない。

 留守番電話の応答メッセージ。日本なら、たとえば「はい、前田です。・・・・」というように自分の名前をいう。電話がかかってきたら名前をいうのが礼儀だからだ(すくなくとも、そう教えられた)。

 ところがイギリスでは"こちらは02912345678です。"と、番号だけいう。考えてみれば、こちらの名前すら知らずにかけてくるのは、まず怪しい電話で、反対に親しいからの電話人なら、当然名前は知っているはずだ。念のために番号を再確認すればそれで十分。

 日本に帰ってきて、個人情報の管理があまりにずさんなのに驚いた。学校、職場のパソコンのハードディスクの中をちょっと探せば、すぐに見つかる住所録や電話番号表。だれでもパスワード無しで好きなだけアクセスできる。

 リスク管理は自己責任というイギリスと、安全と水はタダと思い込んでいる幸せな民族との違いか。


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