笑顔

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ハンバーガー屋さんに、「スマイル0円」なんて書いてあったりする。

イギリスに両親が遊びに来たときのこと。イギリス人はみんな愛想が良いとしきりに感心していたので、「イギリスでは道ですれ違う人には、たとえ知らない人にでも、にっこり笑顔を見せるのがマナーになっています」と、説明した。

それから父の苦労が始まった。まあ、言ってみれば作り笑いのようなもの。どうも不自然だ。それでも、日ごろからやり慣れていないものだから、顔が筋肉痛になりそうだと言っていた。

先日テレビで、日本人が喜怒哀楽を表情に表さないことを美徳と考えるようになったのは、江戸時代頃かららしいと言うようなことをやっていた。いずれにしても、日本人の無表情さは筋金入りということだ。

だが、日本人のこの無表情さは、イギリス人からすれば、美徳どころか随分と不気味に映っているようだ。極端な言い方をすれば、イギリス人が笑顔を見せたのに、日本人が無表情で返すと、喧嘩を売っているように取られかねない。

イギリスは、植民地時代からの歴史もあって、意外にいろんな人種が住んでいる(もちろん私もその一人だった)。言葉も、文化も違う。唯一、共通していたのは、"笑顔を見せる人は自分にとって取りあえず敵ではない"ということだったようだ。道ですれ違いざまに相手が敵か見方かを見分けるのに、一応の目安になる。

結果として、あまり見掛けない人にも(見掛けない人ほど)、笑顔を見せることになる。もちろん、いちいち意識しているわけではなく、習慣になっている。

当然知っている人にも、笑顔で挨拶する。満面の笑顔のときもあれば、そうでないときもある。私もいつのまにか笑顔を使い分けられるようになっていた。笑える気分じゃないときは、唇の端っこだけでちょっと笑顔を作って見せる。そうすると、後でおりを見て、"ケリー、何かあったの?"と心配そうに聞いてくる。

笑顔だけでなく、いろんな表現をする人もいる。さすがにびっくりしたのは、ウインク。それも男性から。「ひょっとしてあっちの趣味か?」と、へんな勘繰りもしたが、そうではないらしい。ウインクにも"強、中、弱"があるが、これは長くなるので、別に述べることにしよう。

カーディフのレストランで、注文をしたときのこと。"スターターはハムとメロン、メインディッシュは、グリルド・サーモン。えーっと、それに君の笑顔"と言うと、ウェートレスは笑い出した。白人の女の子はすぐ顔を赤らめるから、よりかわいらしく見えるものだ。アメリカのシカゴに行ったとき同じようにしたら、笑ってはくれなかった。ケンタッキーは笑う。面白いので、あっちこっちで試している。


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