スイスインターラーケン

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 ヨーロッパでは、旅行者や、その土地に住んでいる(私もその中に入っていたのだが)日本人には本当によく会う。それに比べると、イギリス以外で見かけるウェールズ人はずっと少ないように思う。

 日本の旅行会社のツアーとイギリスの旅行会社のツアーはいろいろと違う。それぞれにいいところがあるので、たとえば、トルコに行ったときなどは日本のツアー、スイスに行ったときはイギリスのというように使い分けていた。歴史のあるところは日本語で説明してくれるほうが、どうしても理解しやすいし、(それでも人名や地名になると特に興味がない限りなかなかついて行けなかった。)景色を楽しんだり、美術館巡りがしたいときなどは迷わずイギリスの旅行社を使った。もっと自分らしい旅がしたいときや、安く上げたいときは、自分で列車やホテルの手配をした。

 さて、スイスに行ったときのこと。"インターラーケンのホテルでは、英語が話せる現地ツアーコンダクターがあなたを訪ねてくるから、何でも聞いてください"というような事が旅行社から説明があったので、指定の時間にホテルのロビーで待っていた。するとやって来た人は50代ぐらいのいかにも世話好きそうなご婦人であった。"どちらからこられましたか"と聞くので、"ウェールズです"と答えたところ、なんとそのご婦人、ウェールズ出身だと言う。

 しかもここ20年ぐらいウェールズに帰っていないらしい。そうなると、本題であったはずのスイス観光の件はそっちのけで、やれカーディフのクイーンズ・ストリートの最近の様子はどうかだとか、あそこのマーケットはどんな具合だとか、どこそこのランダバウトの近くにこんなスーパーができただとか、約束の時間いっぱいまで、しっかり、解説させていただいた。

 大変有意義な時間だった。特にそのご婦人にとっては。

 地図がドイツ語とフランス語のバイリンガルで書かれていたため列車を間違ったり(湖に行くつもりが山の中に入ってしまった)、片言のドイツ語で悪戦苦闘しながら、ここ数日はまとめて英語を話すことがなかった旅でもあったので、それでも心休まるひとときではあった。こういうのも日本の旅行会社を使っていたら経験できなかったかもね。

 次の日の朝、隣のホテルの新館に泊まっていた日本人観光客達が朝食もとる時間もなくバスに詰め込まれていたころ、遠くアルプスを望むコテージ風の中二階になった自分たちの部屋で、カーテン越しに吹いてくる涼しい風に目を覚ました子どもたちが、昨夜食堂で抱き上げてくれた、やさしいスイス人のウエートレスさんに今朝もあえるかなという話をしていた。


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