独り言

イギリス(PC)>エッセイ(携帯)人間関係>独り言

 ビギニング・オブ・マッドといえば、「バカになりかけ」。現代人は何かとストレスが多い。知らず知らずに精神が蝕まれていくのは、文明社会共通の課題だ。

 異常の兆しとは何だろう?英国では「独り言」を言い始める時が"ビギニング・オブ・マッド"、だとされる。

 電車に乗ると、独り言をぶつぶつ言っているおじさんを見かけたりする。身なりはしっかりしているものの、視線は泳いでいて焦点が合っていない。何かよほどの心配事が有るのだろうか?本人は独り言をいっているのに気づいていない様子。実にすれすれだ。

 ここまででは無くても、たとえば何かに集中しているとき、独り言をいってしまうことだってある。海外で仕事をすると、お詫びの文章も外国語で書かなければならない。

 先輩に言わせると「サラリーマンは叱られていくら。もらう給料の半分は叱られ料」なのだそうだ。どういうわけか私は給料のほとんどが叱られ料だったようで、頻繁にお詫びの文章を書いた。

 英国では日本と違って、「私が悪うございました。もうしません。許してください。」ではすまない。「私には全くミスは無かった」のだが「不幸にして」「思いがけず」「不可抗力によって」「どうしようもない状況」になった、としなければならない。

 文章を、ああでもない、こうでもないと考えていると、同僚がにやにやしながら「ケリー、ビギニング・オブ・マッドだよ」などという。どうやら独り言をいっていたらしい。

 お詫びの文章を書くはめになった原因が、その同僚だったりするから余計ストレスがたまる。

 現代人はつらい。


イギリスウェールズ目次に戻る KeriMaedaWales