イギリスのトイレ

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 異文化との遭遇は大抵の場合、ある程度の驚きの感情を伴うことになる。自分がこれまで「正しい」と思っていたことと違うことが目の前で展開されているからだ。しかも、ごく当然のように。忘れてならないのは、先方の視点に立ってみると、私たちの行動も同じように奇異に見えるということだ。このホームページでのテーマの一つは、イギリスで発見した、「異文化」を紹介することにある。私が発見した「異文化」は、反対側から見るとイギリス人が感じるであろう、「日本という異文化」の投影でもある。

 仕事でつきあいのあるアメリカ人との話で、トイレの話が出た。日本の暖房便座が奇妙だと言う。欧米では、トイレと言わず廊下と言わず、至るところにセントラルヒーティングが張り巡らされている。かのクリントン大統領が、廊下で不適切な行為に及んだからと言って、寒くはなかったかなどと変な心配をする必要はない。

 話がそれたが、トイレ自体が暖房されているので、わざわざ便座まで暖房することはない。以前、出張で日本にきていたイギリス人も、トイレのあとで"It was warm!"と驚いた顔をしていた。イギリスには便座カバーなるタオル地のカバーを使うこともない。あれはむしろ、不衛生と映るらしい。イギリスのお客があるときは、便座カバーははずしておいたほうがいい。

 イギリスの2階建てのでは、一般的にトイレは、一階と、二階にそれぞれ設けられている。二階にはおふろ場があり、そのバスタブの横に(何の仕切りもなくいきなり)トイレがある。初めこそ奇妙な感じがしたが、実際にそこで生活してみると結構便利に感じる。

 前出のアメリカ人はさらに話を続けた。"マレーシアに初めて出張したときには驚いた。トイレに紙がないんだ。代わりに水が置いてあって、その水を使って左手で処理をするらしい。2度目の出張からはアメリカからトイレットロールを持っていくことにしている。"という。マレーシアのトイレには絶対にトイレットペーパーがないのか、あるいはホテルなどにはあるのか、半分半分で水と紙があるのか、両方ある所もあるのか、私自身はマレーシアに行ったことがないので知らない。

 そういえば、シルベスタ・スタローンの映画で近未来のアメリカのトイレには紙がないという設定(洗浄式便座か?)があったが、あれも原作を書いた人が、マレーシアか、日本でインスピレーションを感じたからなのかも知れない。

 異文化の話をする場合大切なのは、良いとか悪いとかいう判断はないという点だ。

 マレーシア人も、アメリカに出張で初めて行くときには、ひょっとしたらこう驚くのかも知れない。

 "大変だ。水がない。"


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