住む国としてのイギリス

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 観光で訪れるのと、実際に住むのとでは大違い。仕事でも出張でイギリスに行くのと、転勤で行くのではまた違う。違うと言ってもイギリス自体は変わっていないのだから、それだけ本人の立場だとか気持ちのほうが大きく変わるためだろう。

 先日、親しくしている人がイギリスに転勤になると聞いたので、いろいろとお話を聞かせてもらった。イギリスに住むこと、これは住んだことがある人にとっては(全部そうだとは言いきれないにしても)、実は取りたてて難しいことではない。住めば都と言うが、そんな感じだ。

 だが、やはり初めてとなればそうも行かない。いろいろと心配のほうが先に立つ。たとえば、あなたが今住んでいる街に誰かが引っ越してくるとしよう。あなたは、これと言って大きな問題もなく日々この街ですごしている。ところが新しく引っ越してくる人にとってはやはり、生まれて初めての街であり、不安と期待の入り混じった気持ちで引っ越してくることだろう。

 それが言葉も文化も違う外国となればなおさらだ。実は私もイギリスに行くまでは、何かと細かいことを気にしたり、心配したりしていた。英語が通じるかだとか、治安だとか、住む家は良いところが見つかるだろうか、仕事(勉強)は、等と心配事はたくさんある。

 経験上、回りの人に、いくら大丈夫だと聞かされても、はいそうですかと言う気にはならないとはわかってはいるがそれでも、「イギリスなら大丈夫」を連発してしまう。

 イギリスに住むにあたって、3つポイントを挙げるとすれば、ひとつはイギリスにおける日本人の位置付け、二つ目には、イギリスの外国人に対する受け入れ、最後に、日本とは異なるイギリス生活様式に慣れる、ということであろう。

 イギリス人にとって、日本人はどういう存在に見えるだろうか。実は、これは私がイギリスに行った時、一番気になっていたことだった。結論からいうと、彼らイギリス人は、日本人のことをほとんど気にしていない。

 日本にいると、なんとなく日本が世界の中心のような気がするが、イギリス人にとっての世界の中心はイギリスだ。世界地図は世界中で売られているが、地図の中心はその国になっているのが常だ。

 イギリスは良くも悪しくも階級社会である。階級社会と言う言葉がいやだというなら、同じような境遇の人は同じ境遇の人と行動をともにしたがる、とでも言うべきか。わかりやすくいうと、たとえば、パブにはブルーカラーの人たち用の入り口と、ホワイトカラー用の入り口の二つがある。中央にカウンターをはさむ形で、部屋も分かれている。これはお互いにこのほうが居心地が良いからそうなっている。

 では、日本人は階級上、どこに位置するのか。身分がはっきりとしている場合もあるだろうが、一般には、どの階級にも属さないと言えるだろう。パブの例で言えば、どちらの部屋に入っても、白い目で見られることはない。これは彼らにとっての外国人であるわれわれ日本人の特権と言って良いだろう。

 二つ目の外国人に対するイギリスの受け入れ方だが、これは、大変親切なもので、私などは、イギリスに行っている間、日本人であるがゆえに不当な扱いを受けることはなかったと記憶している。日本人が(私を含めてだが)外国の人にそれだけ親切にしてあげられているかといえば、はなはだ自信がない。

 これは、ひとつには「困っている人を助ける」という美徳が教え込まれているためだ。少々ずるいが、イギリス人に何かやってもらおうとすれば、"xxをしなさい"なんて高飛車にでるよりは、"お願いだから助けてくれない?"と頼んだほうがずっとうまく行く。

 もうひとつ理由を挙げるとすれば、イギリスはアメリカに勝るとも劣らないほど、いろんな国の人達が集まっているという事実だろう。結果的に、英語がわからない人でも、何とか生活できるようになっている。

 たとえば、スーパーに行くと商品が並べられているわけだが、陳列された容器などには絵や写真が印刷されていて、中身が何であるか、何のために使うものなのかが一目でわかるようになっている。お金を払うときも、店員さんが"++ポンドです"と言うのと同時に、金額が表示されるようになっている。聞き取れなくてもいくら払えばよいかがわかる。選挙など、重要な案内は、英語のほかに、中国語、ヒンディー語(だと思うが私は読めない)等で記されている。

 イギリスは大航海時代、大英帝国と呼ばれた国だ。植民地、英連邦諸国は地球を一周し、日の沈まない栄華を誇っていた。現在は、旧英連邦、植民地から、イギリスに移民してくる人達が多い。ヒースロー空港の到着ロビーには、今でもいろんな国からイギリスに移り住もうという人達が後を絶たない。

 最後にイギリスの生活様式に慣れると言う点だが、これはとてもではないがここでは書ききれない。敢えて例を挙げるとすれば、正しい赤信号の渡り方などがある。

 は赤信号では例外なく停止しなければならないが、歩行者は信号が赤でも渡って良い。ただし、自己責任において。渡って良いのは、車が通っていないのを確かめた上での話だ。自己責任と言うのはこの国の生活様式の重要な考え方のひとつと言っても良いだろう。日本のように権威から許可をもらって何かするというパターンとは対象的だ。

 いろんな人種が集まって形成されている社会では(というか日本のように均一化、画一化でない世界一般的な社会では)、この自己責任と、ルールを守るという二つの考え方は、社会の秩序を保つための知恵と言える。

 イギリスは紳士の国と言うけれど、これは自分の行動に責任を持てる人が、ルールを守って普通に生活している場合に限ってのことだ。


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