ウェールズ語

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「ウェールズには、ウェールズ語があります。」というと、大抵の人は、「ウェールズ語って、英語の方言みたいなものですか?」と聞き返してくる。

私は、言語学の知識を持ち合わせているわけではないが、方言程度の違いではなく、英語とウェールズ語は、ずいぶんと違う言語であることぐらいは分かる。

ウェールズ語 英語
Bore Da Good Morning
P'nawn Da(Prynhawn Da) Good Afternoon
Noswaith DDa Good Evening
Nos Da Good Night
Diolch Thank You
Coch Red
Glas Blue
Gwyn White
Ia Yes
Na No

(この情報は千葉の石丸氏より頂きました。*)

ウェールズ語は、ケルト語のひとつ。ヨーロッパと一部アジアの言語は、「インド・ヨーロピアン」言語と呼ばれている。そのうちのひとつケルト語は、ドイツのドナウ川上流が起源なのだそうだ。というか、古代ケルト語を話していた人達が、ドナウ川上流から全ヨーロッパに広がっていった、ということでしょうね。

発音を聞いて一番近い言語は、ドイツ語ではないだろうか?イギリスで勤めていたとき、たまにウェールズ語で電話がかかってきたことがあったが、始めのうちはドイツからの電話だとばかり思ってずいぶんと焦った。必死で知っている限りのドイツ単語をならべてみてもちっとも通じなかった。当たり前だけれど。ケルト人が使うケルト語の一種らしい。

ちなみに今でもウェールズ語が分かるわけではない。

ウェールズでは英語と、ウェールズ語の両方を公用語にしている。役所からの通知などは表が英語、裏がウェールズ語(こっちが表なのかもしれないが)になっている。選挙権の有無を確認してくるような通知では昔の植民地時代の影響か、さらに中国語、ヒンディー語が加わる。蛇足だが、スイスではドイツ語、フランス語、イタリア語と、名前は忘れたが少数派の現地語が公用語になっているので、電気製品の取扱説明書などはさらに英語も加わって辞書のような厚さになる。

車を運転してイングランドからウェールズに入ってくると、まず"ウェールズへようこそ"と、英語とウェールズ語のバイリンガルでかかれた看板が目に入る。これを見ると「あー、ウェールズに戻ってきたんだなあ」と思う。それ以降、標識、地名はすべてバイリンガルで表示されている。

スーパーマーケットに買い物に行っても、天井に吊られた"卵"、"牛乳"等の札もバイリンガルでかかれているので、とてもにぎやかだ。もっとも分かるのは英語だけなので、札の反対側まで歩いていかないと何が書いてあるかわからないこともある。

当然といえば当然だが、地名もウェールズ語のものが多い。正直な所これには苦労した。なんせ、正しい発音ができない。家がどこにあるかを伝えたいとき、HEOL−HIRという道の近くだと言いたいのだが、「へおる・はー」と何度言っても通じない。仕方ないので"H・E・O・L・・・"とアルファベッドで言うと、"あー、ヘオル・ハーね"と言われる。(だからそう言ってるじゃないの)。

地名で知っているのは"LLAN"という単語が教会を差すことぐらい。"スラン"と発音する。カーディフで有名なランダフ教会(LlandaffCathedral)の始めの"Llan"が、これにあたる。ウェールズ語で言うと"ダフ教会"ということになる。

学校教育は、ウェールズ語主体の学校、英語主体の学校がある。主体的に使うというだけで、どちらの学校でも、英語とウェールズ語の両方を習う。

テレビ放送は、ウェールズ専門の放送局が一局だけある。コマーシャルは英語のものが多いが、ほかはすべてウェールズ語だ。何を言っているのか相変わらずわからないのだが、性格上とてもローカルな話題が多く、見ているだけでも結構面白い。

ウェールズの首都カーディフでは、どうしても外から来た人たち(私たちも含めて)が多いので、英語が主に話される。ウェールズ人でもウェールズ語をほとんど話さない人が多い。パブなどでも"ウェールズ語で1から10まで言えるか"などと言った話題もでるぐらい。

ウェールズ語を大事にしている地域といえば北ウェールズ地方らしい。北ウェールズに旅行に行くと言ったら、"ウェールズ語が話せないと大変だよ"等とウェールズ人にさんざん脅かされていたが、ホテルやレストランなどでは別に困ることはなかった。

遠くドナウ川上流からウェールズまでやってきた、古代ケルト人の足跡を追って、旅をするのも良いかも知れない。

* Collins Spurrell Welsh Dictionaryを参照し一部修正2002/6


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