ウィンザー城

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 開かれた王室として有名なイギリス王室だが、女王の「居城」ウィンザー城も一般に開放されている。1992年の照明器具から発生した火災で、いくつもの部屋が焼けた(100部屋とも言われている)。私が訪問した95年には、まだ焼け残った黒い大きな柱がむき出しになっていてたが、97年には修復された(画像)。

 焼けたのは一部だとはいえ(これだけ燃えても主要な部分の5分の1!)、修復には相当な費用がかかる。その費用を捻出するため、なんと「本丸」バッキンガム宮殿を限定付きで開放するという大技に出た。実は私もその「開放」されたバッキンガム宮殿を訪れているので(卵の形の宝物などを見た)、ウィンザー城の天井板を止めた釘3本分ぐらいの費用は、私が負担しているのだ。

 ウィンザー城は、「現役」の城としては、世界で最も大きく、歴史が長い。ウィリアム征服王が、要塞建設にこの地を選んだのが、1070年。ロンドン塔から一日の行進でこられる距離。ここで、西方から首都への侵入を止めようとした。土手の上のラウンドタワーもほぼ同時期に建てられ、14世紀からは、歴代の王が居住している。あるときは平和な時代、あるときは戦いのさなかであったため、優雅に、時には実戦向けにと、時代を反映して城は何度も改築された。セントジョージチャペルには、今も歴代10人のイギリス国王が眠っている。

 さて、この城の見所のひとつは、メアリー女王の人形の家だ。12分の1の縮尺で作られた理想の宮殿。外壁と屋根が蓋のようになっていて、上に引き上げると中の部屋が見える仕組み。ちょうど、デコレーションケーキの箱を開けると中からケーキが現れる、といった感じ。エレベーターや家具の鍵、水道に至るまで実際に動くという。ワイン貯蔵庫には、もちろんホンモノのワインが、わずか2.5センチの高さのビンに入れて収められる。12分の1の縮尺は、日本人には分かりづらいが、ちょうど1フィートが1インチになる計算。

 発案が1921年で、1924年に公開されている。もともと女王の慈善事業の資金集めに利用しようとしていた。80年を越える今でも人々の注目を集めるのだから、たいしたものだ。作られた当時、20世紀初頭の、理想的な家として作られ、当時の最先端の生活がそこにある。今では、むしろ当時の生活を偲ぶ、最高のアンティークとなっている。ガイドブックによれば、キッチンの床が大理石ではなく、木製になっているのは、メイドの服の磨耗を減らすため。今では当たり前の、ステンレススチールが無かった当時は、ナイフ研ぎ器が使われていた。子供部屋の肺炎用ジャケットは、ペニシリン、抗生物質が発見される前の病気の恐ろしさを示しているという。一方、当時画期的だった電気掃除機が、メーカーも形状も現在とあまり変わっていないのは、逆の意味でびっくり。

 図書室の本も小さいけどすごい。コナンドイル、W.S.モームなど、当時の有名な作家がこの人形の家のため、小さな本に自筆で物語を書いている。"How watson learned the trick"、"Princess and the Nightingale"など。いやあ、本を開けて読んでみたいですね。女王の部屋の装飾が東洋風になっているのは、女王の趣味を反映しているのだろうか。

 エリザベス女王が滞在中は、ラウンドタワーに旗が立っている。この日は、朝から雨模様で稲妻も走っていたが、しばらくすると雨は止み、雨上がりの庭には色とりどりの花が鮮やかに咲いていた。開かれた女王の居城。観光客の間近を衛兵が通る。靴音を高く響かせながら。

P画像 ウィンザー城(PC用画像) P画像 

Windsor, Berkshire, SL4 1NJ

公式サイト(英語)

ロンドンビクトリア駅からグリーンラインのバスで行ける。レゴランドにも近い。


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