安吉にかけて!ローカル怪談
ローカル怪談
[ろーかるかいだん:NAGAOKAn ghost stories]
ナガオカには実はゴーストウォッチングスポットがいくつかある。


【堀×・拾圓おばさん】
古くから伝わる怪談に、『飴幽霊』というものがある。
夜ごと一文銭を持って飴屋を訪れ、飴を買って帰る白い着物の女がいた。妙に思った飴屋の主人があとをつけると、女は古い寺に入って消えた。闇に沈む墓地で飴屋の耳に聞こえたものは、かぼそい赤ん坊の声。震える手で声のする墓所を掘り返してみると、見覚えのある白い着物をまとった骸骨と、その腕に抱かれて泣く赤ん坊……身ごもったまま亡くなり埋葬された女が墓中で子を産み、飴でその子を育てていたのだ。飴屋に払っていた一文銭は、当時棺桶に入れる風習のあった六道銭――三途の河の渡し賃であった――。

主宰がこんな話を思い出したのは、とあるメールがきっかけである。投稿者さんは語る。

私が小学校の時に『10円おばさん』なる人物が出没して、ちょっとした社会問題(大げさ)になっていました。
なんでも、カゴを持ったおばさんで、小学生から10円をカツアゲしていると言う話でした。
真相はわからないのですが学校の先生からも『ひとりで堀×を歩かないように』というお達しがあり、長岡のローカル版口さけ女的な怖さがありました。

六道銭は、一文銭六枚である。それが尽きたとき母の幽霊に浮かぶのは、「人から奪ってでも」という思いではあるまいか。10円おばさんがどこから来てどこに行くのか、その10円を何に使っていたのか、真相は誰も知らない――。


【某大型小売店(日赤町)・さまよえる病み人たち】
河のほとりの巨大店舗のある場所は、かつては市民の生と死を分ける地であった。戦前より市民の尊敬と畏怖を集めていたそこは、暗灰色の本館を中心に幾多の病棟を増殖させ、クレゾール臭をまとう迷宮あるいは深い森にも似ていた。一転、明るく見晴らしのいいショッピングセンターとなった現在も、その地に留まる「何か」が存在するらしく――投稿者さん談、

「開店以来『出る』という噂がお約束通り、後を経たないらしいのです。
出るという根拠は、
1:開店早々から『使用禁止』トイレが存在するらしい。
2:霊感の強いガキを一緒に連れていくと泣き出すという情報多数。
3:地鎮祭を超テキトウに済ませたらしい、ということもまことしやかに言われている。
4:夜間アルバイト募集の賃金が2000円/時間と、この地域にしては破格の高値である。ホーンテッドだから、夜間アルバイトが定着しないからではないか?とまことしやかに言われている。
5:店鋪裏方から売り場へと出るトビラの裏側に、『出ても騒ぐな』と貼り出されている…というこれもまことしやかに言われている」

……この不況下で時給2000円は確かに生々しい怖さがある。サラ地のときから妙な薄暗さを感じさせたこの土地にあらためて恐怖するとともに、具体的な名前を出さないようにした努力がタイトルの地名で台無しなのではないかと恐れる主宰であった。

久々に続報。

母から××跡に出来た○○○○のことを聞いてきました。
××は、戦争前、陸軍病院で、傷痍兵が多く運ばれていたんだそうです。
その後、太平洋戦争になり、病院には、空襲でお亡くなりになった方の死体が多く投げ込まれるようになったとのこと。
そんなんで、敷地内には、無縁仏(?)のお墓があります。
で、実家によく来る仏壇屋さんの営業さんが言ってたそうですが、は、最近、幽霊が出るとのことで、トイレを一つ潰したそうです。

異界の噂は仏壇とともにもたらされ…。相変わらず○○○○がどこなのか特定はできないが、いよいよ4車線になるのでますます混むものと思われる。(2006.12.3)


【某飲食店(長岡インターチェンジ付近)・睨む女】
「本当に怖いので、じつはあまり言いたくないんですが…」
と、その投稿メールは始まった。投稿者さんのご主人の勤務先の飲食店に、『それ』は出るという。ある従業員が、店から出ようとしていた女性を見かけ、「ありがとうございました」と何気なく声をかけた。
異変はそのあと起こる。
女性は振り向いて従業員をギッと睨み、あろうことか、そのまま「すっ」と消失したという。そして、この後さらに不可解な現象が起こる。
「主人がこの話を私にした直後、主人の携帯のベルが鳴り、主人が出ると無言で切れました…」
この現象は2度起こり、そして、2度とも携帯の発信者は『非通知』になっていたという。この、怪談と伝達と電話という取り合わせは『リング』的である。『睨む女』は長岡の貞子なのだろうか。とりあえず、いま携帯の電源をオフにした主宰であった…。


【市内全域・口裂け女】
現代怪談としてあまりにも有名な『口裂け女』。
整形手術の失敗により生まれたという悲劇の女怪で、昭和50年代半ばの日本各地に出没した。その終末エピソードとして特筆すべきものがある。いわく、
 「口裂け女は新潟で逮捕された」
岐阜県で生まれたという口裂け女であるが、その終焉の地は新潟であるというのだ。元ネタは、新潟市で整形手術に失敗して恋人に去られた女が、その恋人を殺して逮捕されたという現実の(とされている)ニュースであるらしい。その報道以来、口裂け女の噂は沈静化したという。
ちなみに、当時主宰のまわりで囁かれた口裂け女の情報は以下の通り。

・長岡駅東口にいる
・マスクをし、手には鎌を持っている
・「私、きれい?」と聞いてくる
・「きれいです」と答えると、「これでも?」と言ってマスクを取り、
 裂けた口を見せ、鎌で相手の口を裂く。
・「ポマード」と言うと逃げていく
・好物は「ベッコアメ」
・バイクよりも速く走る
・ある日突然、家の押入のなかにいる

最初の頃は「変な人がいる」というかなり真面目な情報で、PTAに通知が配られたりしたが、「ポマード」のあたりから「おや?」って感じになってきたのであった。


【栄涼寺(東神田)・牧野家の双子】
長岡藩主・牧野家に、あるとき双子が誕生する。
当時、双子三つ子などの複数児出産は動物的ということで、『畜生腹』と忌み嫌われているものであった。面目を重んじる牧野藩主は双子の一人を闇に葬った。
この消された片われの霊は今も長岡をさまよっているといわれ、牧野家の菩提寺である栄涼寺と、牧野家の霊を鎮める蒼紫神社付近にしばしば出現するという。


【蔵王神社(金峰神社)・古木のわら人形】
誰にも見られてはいけない。聖域に立つ古木でなければいけない。深夜、丑の刻でなければいけない――それが『丑の刻参り』、わら人形の呪術である。この条件にどうやら蔵王神社(金峰神社)がぴったりらしく、境内に立つ古木のウロには五寸釘を打ち込まれたわら人形が実際に発見されたという。呪った人間も、呪われた人間も定かではないが....。


【関原・陸橋のほとりの家】
関原の陸橋脇、長岡市街を背にして右側の民家には「出る」という噂がかなり以前から囁かれている。なぜ、そして誰が「出る」のか、誰も知らないところがこの噂の真に怖いところである。


【蒼紫神社・参道の石橋】
悠久山蒼紫神社へ続く鬱蒼とした参道は、途中いくつもの小川や沼があり、そこにはそれぞれ古い石橋が架かっている。これらの橋を渡るときには「親指を隠さなければいけない」という。忌中の家の前を通るときや霊柩車を見たときと同じ、「親が死ぬぞ」強迫のまじないである。
蒼紫の杜の水辺は、葬式にまつわる空気と同様、『向こうの世界』に近いものなのだろうか?


坂之上阪之上小学校・長岡城模型】

居た、と断言することのできないゴースト情報において、その概念を覆えす恐るべき投稿が。10年ほど前、阪之上小学校に飾られていた長岡城の模型には、井戸のひとつに幽霊が確かに「居た」という。何を訴える誰の霊であるのかは不明であるが、霊体の構成成分は、樹脂系のものではないかと思われる。あるいは紙粘土。

new!
久々すぎる新情報。投稿者さん談、

私は阪之上(坂は誤変換ですね)小学校卒業生で、くだんの長岡城模型も見た事があるんです

平成になり新しい近代的な校舎が建ちましたが、同じ場所に建ってた前の校舎に通っていました
当時、教務室や会議室のある「管理棟」というんですかね、そこの2階に「伝統教室」という地域資料室がありまして、漢字だらけの歴史書や長岡の偉人の肖像画・写真、火鉢にかんじきなどの古い日用品とかが展示してありました
普段は鍵がかかっており、地域学習の時間しか入れない本当の「特別教室」です

肝心の模型は部屋のド真ん中にありまして、高さ1m位、幅1.5m四方位のガラスケースにミニチュアの長岡城下町が再現されていました
そして…いくつかあるミニミニ井戸の一つの脇に、白く細い「なにか」が寄り添うように立っているんです。クラスメイトが発見し、プチパニックになりました

今思えばこの模型、人も再現してあるタイプだったはずなので模型師さんの塗り残しだったのかも…
でも「だったはず」というあいまいな記憶ですので、ひょっとしたら…!

伝統教室には他にも、廊下にズラッと歴代校長の写真が飾ってあり、「放課後6時以降に写真と目を合わせると呪われる」なんて怪談もありました
で、さらに「6時(もっと早かったかも)以降は一階教務室前を通るの禁止(多分児童がうるさいから)」という校則もあり、部活で遅くなった日は仲間と必死に顔を伏せて通り抜けました

現在の新校舎にも伝統教室&模型はある(新校舎お披露目見学会で確認)ので、阪之上に問い合わせれば見せてくれるかも?

いかにも心霊ネーミングな「伝統教室」情報ありがとうございます〜。
学校って、小中高問わず、こういう「普段は入っちゃいけない」系の部屋がありますね。先生に言われて資料を取りに行くときとかやけにテンション上がる部屋。歴代校長からベートーベンまで「目が動く」肖像さんもおおむね常備で。
問題の井戸端の「白いなにか」は、「塗り残し」説もあるわけですね。塗ったらフツーのお女中さんとかになったりするのでしょーか。よもや手には井戸で冷やしたスイカとかを持ってたり?(^^;

それでもって、「坂之上」は、誤変換っちゅーかマジ間違いでございます〜。今の今までそっちだと思っておりました。地名オンチですみません。「新潟」の「潟」もいまだに書くときに迷いがあるとゆー。。。(2011.05.01)



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