1994年12月5日(大蔵事務官)
- 売上値引きか貸倒れか
- 商取引上、値引きはよくあります。価格破壊と盛んに報道されていたころは、「2割3割はあたり前...」などという宣伝文句もよく聞かれました。では、請負契約金額と集金金額が違った場合はどうでしょう。通常の取引では、売上値引きとして処理されるべきと思われます。
- 建設業の場合、請負契約書を締結します。ところが、その請負契約の契約金額と集金時の金額に差が生じる場合があります。通常は、集金時の値引き処理をしておけばよいのですが、その経理処理をせず、その後差額を一切建築主に請求しなかった場合、どうなるでしょう。
- 特に手続きを必要としない貸倒処理があります。取引停止後1年以上経過した場合の貸倒処理です。これを適用させて経理処理をしようにも、この場合、継続取引をしていた相手に対する場合に限りです。そこで、値引き処理をしました。この経理処理に対して「取締役の認定賞与にする」との指摘がありました。
- 前年対比、完成工事高が約40%減少したため、調査員が飛んできました。特に問題のある箇所を、押さえてきなわけではなさそうでした。調査開始から終了までの連続。調査に真剣さがないと統括官にクレームを付けたのは言うまでもない。