1996年10月21日(国税調査官)
業種
所得
指摘事項
対象
建設業
個人事業
交際費
所得税


指摘事項と修正事項



この調査の前年に書面によるお尋ねが来ました。内容は、「交際費の中に個人的なものが混入しれていないか。」というものでした。



調査の結果、調査員から指摘されたのが、公共料金の家計費按分。

しかし、修正する箇所は、調査中一度も指摘しない指摘事項と全く違う交際費。その中の「ゴルフプレー代の半分を修正せよ。」というむちゃくちゃなものである。

その理由は、「社会通念上コンペは認められるが、プライベイトは認められない。」というものすごく強引な理由である。




ここでのゴルフコンペは、すべて保険会社や金融機関が主催したものであり、言わば事業者側は、遊びに呼ばれたのであって自らの接待供応等のために費用を費やしたのではない。それに対し、プライベイトは、取引先とプレーしている。目的は、人間関係形成や取引を有利に運ぶためのご機嫌取りである。どちらが接待供応等にふさわしい支出であろうか。

また、保険会社や金融機関が主催するゴルフコンペは、主催者側の接待供応等のためであっても結果的に異業種交流の場としての色彩を兼ね備えている。その参加費用は、本当に必要経費にならないのであろうか。

これについては、法令で明文化されている訳ではない。しかし、自信を持ってその正当性を主張すべきである。




調査終了後、事業者から、「指摘する箇所と修正する箇所が違う。しかも指摘された箇所より、なりふり構わず文句を付けた箇所のほうが金額が大きいのは何故だ。こんなことなら真面目に計算する意味は、全くないんじゃないの。」

返す言葉がありません。

ちなみに、「私、まだ100を切ったことがないんですよ。」とは調査員の弁。




社会通念上


飲食代の二次会費用は、「社会通念上、必要経費ならない。」とよく調査員は言います。社会通念上?いつの時代の社会通念上なのだろうか。

お手頃な接待として、居酒屋のあとカラオケスナックというコースは、現在の社会通念上あたり前である。何をもって社会通念上と言っているのであろうか。調査員の私見としか言いようがない。




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