達するまでの金額の考え方


法人税法には、さまざまな限度額が設定されています。減価償却限度額や寄付金の損金算入限度額等がその代表的なものです。それでは、その限度額を計算した結果、円未満の端数が生じた場合はどのよに取り扱えばよいでしょう。

よく「月数計算で1ヶ月未満の端数が生じたときは、これを1月とする。」等のようにその処理方法を明確にしめしているものもあります。それでは、処理方法を明確にしめしていないいわゆる「達するまでの金額」と規定されている場合の端数処理は、やはり「達するまでの金額」です。円未満の端数を四捨五入、切り上げ、切り捨てした金額でなく、あくまで「達するまでの金額」です。

たとえば、ある限度額を計算した結果、「99,999.99999・・・・・・」と割り切れなかったとしましょう。このときの「達するまでの金額」は、「99,999.99999・・・・・・」です。円未満を四捨五入して「100,000」とした場合、「達する金額」を超えてしまいます。

ここで、問題になるのが申告書に記載するときです。法人税の確定申告書には、円未満の端数を記載するときは、その旨説明があります(別表六(一)の元本所有期間割合など)。端数記載の指定がないときは、「0円以上の整数値を記入する」ようになっております。したがって、上記の「99,999.99999・・・・・・」の場合は、「99,999」までしか記入できず、結果として切り捨てられたことになりますが、「税法は納税者有利の原則だから端数を切り上げして「100,000」としてもよい」のではとの見方もありますが、あくまで「達するまでの金額」が限度額ですから、端数を処理した金額を記入することはできません。