定率法を定額法に変更した場合の償却限度額の計算(法人税基本通達7-4-4)


減価償却資産の償却方法を定率法から定額法に変更した場合には、その後の償却限度額は、次の「1」に掲げる取得価額及び残存価額を基礎とし、次の「2」に掲げる年数に応ずる償却率により計算します。

  1. その変更した事業年度開始日の帳簿価額を取得価額とみなし、実際の取得価額の10%相当額を残存価額とする。
  2. 耐用年数は、減価償却資産の種類の異なるごとに、法人の選択により、次の「a」又は「b」に掲げる年数による。
    1. その減価償却資産について定められている耐用年数
    2. その減価償却資産について定められている耐用年数から経過年数(変更した事業年度開始日の帳簿価額を実際の取得価額で除して得た割合に対応するその耐用年数に係る未償却残額割合に対応する経過年数)を控除した年数(その年数が2年に満たないときは、2年)


法定耐用年数12年
定額法償却率0.083
取得価額5,000,000円
期首帳簿価額1,200,000円


a.法定耐用年数による計算

取得価額:X = 1,200,000
残存価額:A = 5,000,000 × 10%
当期償却限度額:Y

Y = (X − A) × 0.083
Y = 700,000 × 0.083
Y = 58,100


b.残存年数による計算

取得価額:X = 1,200,000
残存価額:A = 5,000,000 × 10%
残存年数:B
償却率:C
当期償却限度額:Y

(*1)Y = (X − A) × C

償却率Cを求める

経過年数の割合を定率法未償却残額割合に照らして、残存年数を求めます。
割合:N = 期首帳簿価額 ÷ 実際の取得価額
実際の取得価額:L
N = X ÷ L
N = 1,200,000 ÷ 5,000,000
N = 0.240

耐用年数「12年」の未償却残額割合一覧
経過年数未償却残額割合
10.825
20.681
30.562
40.464
50.383
60.316
70.261
80.215
90.178


N < 未償却残額割合0.261
M = 耐用年数12年 − 経過年数7年
M = 5年
耐用年数5年の償却率
C = 0.200

(*1)を計算する
Y = (X − A) × C
Y = (1,200,000 − 500,000) × 0.200
Y = 700,000 × 0.200
Y = 140,000


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