内国法人が、修理、改良等その他いずれの名義をもってするかを問わず、その有する固定資産について支出する金額で次の表に掲げる金額に該当するものは、その内国法人のその支出する日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない(法人税法施工令132)
1 | 当該支出する金額のうち、その支出により、当該資産の取得の時において当該資産につき通常の管理又は修理をするものとした場合に予測される当該資産の使用可能期間を延長させる部分に対応する金額 |
2 | 当該支出する金額のうち、その支出により、当該資産の取得の時において当該資産につき通常の管理又は修理をするものとした場合に予測されるその支出時における当該資産の価額を増加させる部分に対応する金額 |
修繕費 | 一つの修理・改良等に要した費用の額 | 資本的支出 | ||
START | ||||
YES | 20万円未満か(基本通達7-8-3(一)) | |||
NO | ||||
YES | 周期の短い費用(基本通達7-8-3(二)) | |||
NO | ||||
明らかに資本的支出の部分か(基本通達7-8-1) | YES | |||
NO | ||||
YES | 明らかに修繕費の部分か(基本通達7-8-2) | |||
NO | ||||
YES | 60万円未満か(基本通達7-8-4(一)) | |||
NO | ||||
YES | 前期末取得価額のおおむね10%相当額以下か(基本通達7-8-4(二)) | |||
NO | ||||
YES(A) | 継続して7:3基準により経理しているか(基本通達7-8-5) | YES(B) | ||
NO | ||||
NO | 資本的支出か(法人税法施行令132) | YES |
A | 支出金額×30%と、前期末取得価額×10%との少ない金額 |
B | 支出金額-A |
一の計画に基づき同一の固定資産について行う修理、改良等(以下「一の修理、改良等」という)が次のいずれかに該当する場合は、その修理、改良等のために要した費用の額は修繕費として損金経理することができる。
法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額が資本的支出となる。例えば次に掲げるような金額は、原則として資本的支出に該当する。
法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の通常の維持管理のため又は毀損した固定資産につきその現状を回復するために要したと認められる部分の金額が修繕費となる。例えば次に掲げるような金額は、修繕費に該当する。
一の修理、改良等のために要した費用の額のうち資本的支出であるか修繕費であるか明らかでない金額がある場合において、その金額が次のいずれかに該当するときは、修繕費として損金経理できるものとする。
一の修理、改良等のために要した費用の額のうちに資本的支出であるか修繕費であるか明らかでない金額がある場合において、法人が、継続してその金額の30%相当額とその修理、改良等をした固定資産の前期末における取得価額の10%相当額とのいずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理処理をしているときは、これを認める。
当期に一棟の工場に修繕として600千円支出した。支出時において、通常の管理、修繕を続けていれば、残存使用可能期間は10年で時価は2,000千円と予測された。支出後の使用可能期間は16年で、時価は2,400千円となった。
(a)使用可能期間の延長部分に対応する金額
600千円 × ((16年 − 10年) ÷ 16年) = 225千円
(b)時価増加金額
2,400千円 − 2,000千円 = 400千円
資本的支出は(a)と(b)のいずれか多いほうの金額なので、400千円です。
(a)の計算式
支出金額 × ((支出直後の使用可能期間 − 支出直前の使用可能期間) ÷ 支出直前の使用可能期間) = 使用可能期間の延長部分に対応する金額
金額基準の判断は消費税額を含まない金額です。つまり、税抜き金額です。ただし、消費税の経理方式を税込みで行っているときは、消費税を含めた金額で判断します。
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