渡し切り交際費があるときの役員報酬


当社では、株主総会で取締役の年間報酬額を1,200万円以内と決議しました。また、使用人兼務分の報酬は含みません。各取締役への配分と相当と認められる報酬額は次の通りです。なお、渡し切り交際費として、毎月定額を支給している。


年間報酬額渡し切り交際費賞与(損金経理)相当と認められる報酬金額
取締役でない会長
(法人税法上の役員)A
1,200,000600,000200,0001,200,000
取締役社長B6,000,000480,0001,000,0006,000,000
専務取締役C3,600,000360,000500,0003,600,000
平取締役
(使用人兼務役員)D
2,400,000
(使用人分1,800,000)
120,000 300,000
(使用人分200,000)
2,160,000
(使用人分報酬1,680,000)
(使用人分賞与180,000)
監査役E600,000
100,000600,000
監査役F600,000
100,000500,000
合計14,400,0001,560,0002,200,00014,060,000


それでは、個人別に報酬部分の損金不算入金額を計算しましょう。渡し切り交際費は毎月定額で支給しているものの合計金額ですので、役員報酬に含めます。したがって、各取締役個人別の年間報酬額と相当な金額との関係と不相当な金額を表にまとめると次の通りです。


年間報酬額相当と認められる報酬金額不相当な金額
取締役でない会長
(法人税法上の役員)A
1,800,0001,200,000600,000
取締役社長B6,480,0006,000,000480,000
専務取締役C3,960,0003,600,000360,000
平取締役
(使用人兼務役員)D
2,520,000
(使用人分1,800,000)
2,160,000
(使用人分報酬1,680,000)
360,000
監査役E600,000600,000
監査役F600,000500,000100,000
合計 15,960,000
(使用人分1,800,000)
14,060,0001,900,000


次に支給限度額の超過額を計算してみます。なお、支給限度額の報酬額合計の計算では、取締役でない会長の支給額と使用人分の支給額は含めないで計算します。

報酬額合計(12,360,000) − 株主総会の決議による支給限度額(12,000,000) = 360,000

各取締役の個人別に判断した不相当な金額1,900,000円と株主総会で決議された支給限度額を超えた金額のいずれか大きい金額が損金不算入額となりますので、この場合、「1,900,000円」が損金不算入額となります。

次に役員賞与の損金不算入額を計算します。取締役Dの賞与では、使用人分として相当な「200,000円」を超えた「100,000円」と、税務上の取締役である会長Aの賞与は、損金不算入の対象となります。もちろんその他の役員の賞与は、全額損金不算入となります。損金不算入となる賞与は、合計で「2,000,000円」になります。

したがって、損金不算入額の合計額は、「3,900,000円」となります。


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