販売収益の計上時期


税務上、棚卸資産の販売の収益計上時期については、「その引渡しの日の属する事業年度に帰属する(法人税法基本通達2-2-1)。」とされています。問題になるのは、「引渡し」がいつ行われたかということです。民法では引渡しを、現実の引渡し(民法182(1))、簡易の引渡し(民法182(2))、占有改定(民法183)、指示による移転(民法184)等があります。しかし、所得計算上の収益実現の日は、上記の法律関係を基準としません。商品等の種類、販売の形態、販売条件等の実態の即して、公正妥当な会計処理の基準に従ってなされます。次に一般的な引渡しの判断を紹介します。

  1. 相手方の注文に応じて店頭または倉庫から出荷されたときを引渡しとする方法
  2. 注文商品等の船積または貨車積をしたときとする方法
  3. 商品等を相手方に引渡し,相手方が検収のうえ取引の意思を明確にしたときを引渡しとする方法



委託販売


委託販売による収益の計上時期は、商品等を積送した日の収益でなく、その委託商品について受託者が販売した日の属する事業年度の収益となります。売上計算書が手元に到着した日を収益計上日とはしません(法人税法基本通達2-2-4)。しかし、売上計算書が届くまで、事実上いくら売上があったのか知ることができません。そこで、売上計算書が売上のつど(継続的に週、旬、月ごとに一括する場合を含む)作成されて、送付される場合において、法人が継続して売上計算書が届いた日を収益計上日としているときは、認められます(法人税法基本通達2-2-4ただし書き)。


予約販売


商品の予約販売による収益の額は、商品等を相手方に引渡した日の属する事業年度の収益の額となります。引渡しの済まない部分の予約金は前受金となります。


戻る