法人が他の内国法人から受ける配当等の額は、益金の額に算入しない(法人税法23(1))。
益金不算入の適用を受ける配当等の額は、法人が受ける次に掲げる税込金額が対象となります。
なお、建設利息、受取利息や保険契約者配当金は、支払法人において損金となるため、受取った法人においては益金となります。
区分 | 収益とする日 | |
利益の配当、剰余金の分配 | その配当、分配をする法人の株主総会で、利益の配当、剰余金の分配に関する決議のあった日 | |
中間配当 | その中間配当にかかる取締役会の決議のあった日 | |
証券投資信託の収益の分配 | 信託開始のときから終了のときまでの間におけるもの | その収益の計算期間の末日 |
証券投資信託の終了または証券投資信託の一部の解約による収益の分配 | その終了または解約のあった日 |
自己株にかかる利益の配当または役員、使用人等の名義で所有している株式について受ける配当は、益金不算入の規定が適用されます(法人税法基本通達3-1-1、3-1-2)。
配当等の額の元本である株式等をその配当等の額の計算の基礎となった期間の末日以前1ヶ月以内に取得し、かつ、その末日から2ヶ月以内に譲渡した株式等の配当等は、益金の額に算入されます(法人税法23(2))。なお、法人が同一銘柄の株式等をこれらの期間内に2回以上にわたって取得または譲渡をしたとき、次の算式により総平均的に譲渡されたものとして短期所有株式等の数を計算する(法人税法施行令20)。
A・・・配当等の計算期間の末日から起算して1ヶ月前の日において有する株式等の数
B・・・配当等の計算期間の末日前1ヶ月以内に取得した株式等の数
C・・・配当等の計算期間の末日において有する株式等の数
D・・・配当等の計算期間の末日後2ヶ月以内に取得した株式等の数
E・・・配当等の計算期間の末日後2ヶ月以内に譲渡した株式等の数
短期所有株式等の数 = E × (C × (B ÷ (A + B)) ÷ (C + D))
上記算式の分解
X = B ÷ (A + B)
Y = C × X
Z = Y ÷ (C + D)
短期所有株式等の数 = E × Z
証券投資信託の収益の分配の額のうち、内国法人から受ける利益の配当または剰余金の分配の額からなる金額のうち、を益金不算入とする金額は次のとおりです(法人税法施行令19の3(1))。
区分 | 収益の額 | 益金不算入割合 |
証券投資信託の開始時から終了時までの間における収益の分配 | その収益の額 |
2分の1 (外貨建等証券投資信託のうち特定外貨建証券投資信託以外のものの収益の分配は、4分の1) |
証券投資信託の終了または証券投資信託の一部の解約による収益の分配 | その投資信託の終了により受けた金額がその信託の終了時におけるその元本である受益証券の帳簿価額とその受益証券に係わる元本に相当する金額とのいずれか多い金額を超える場合におけるその超える部分の金額 |