当期未処分利益または利益積立金を取り崩して分配される利益の配当と違い、減資、合併等によって資本の払い戻しが行われた場合、支払法人の利益積立金から成る部分の金額を出資者が払い戻しとして受取ったとき、その部分は利益の配当が行われたものとして扱われます。このように税務上利益の配当とみなして益金の額に算入しないこととされています(法人税法24(1))。
区分 | 内容 |
合併(適格合併を除く) |
A・・・被合併法人の合併の日の前の日の属する事業年度終了時の資本等の金額 B・・・被合併法人の合併時の発行済株式またま出資の総数 C・・・合併法人が合併の直前に有していた被合併法人の株式数 n・・・みなし配当金額 n = (A ÷ B) × C |
分割型分割 |
A・・・分割法人の分割事業年度または分割事業年度の前事業年度終了時の資産の帳簿価額 B・・・分割法人の分割事業年度または分割事業年度の前事業年度終了時の負債の帳簿価額 C・・・分割法人の分割事業年度終了時の移転資産の帳簿価額 D・・・分割法人の分割事業年度終了時の移転負債の帳簿価額 E・・・分割資本金等 F・・・分割時の資本金等 G・・・分割時の発行済株式総数 H・・・分割型分割の直前に有していた分割法人の株式数 n・・・みなし配当金額 X = A − B Y = C − D(Y > Xのとき、Y = X) Z = Y ÷ X(小数点以下1未満の端数は切り上げる) E = F ×Z n = (E ÷ G) × H |
資本もしくは出資の減少または解散による残余財産の分配 |
払戻し等・・・資本もしくは出資の減少による払戻しまたは解散による残余財産の分配 A・・・払戻法人の前期期末の資産の帳簿価額 B・・・払戻法人の前期期末の負債の帳簿価額 C・・・払戻し等により交付した金銭の額および金銭以外の資産の合計額 D・・・払戻法人の払戻直前の発行済株式総数 E・・・被払戻法人が払戻し直前に有していた払戻法人の払戻し等に係わる株式数 n・・・みなし配当金額 X = A − B C > XのときC = X Y = X ÷ C(小数点以下1未満の端数は切り上げる) Z = Y ÷ D n = Z × E |
株式の消去 |
A・・・株式の消去を行った法人の消去の直前の資本等の金額 B・・・株式の消去を行った法人の消去の直前の発行済株式総数 C・・・被株式消去法人が有していた株式消去法人に係わる株式の数 n・・・みなし配当金額 n = (A ÷ B) × C |
自己の株式の取得 |
取得法人・・・自己株式を取得した法人 法人等・・・公益法人等および人格のない社団等を除く法人 A・・・取得法人の自己株式取得の直前の資本等の金額 B・・・取得法人の自己株式取得の直前の発行済株式総数 C・・・法人等が自己株式取得の直前に有していた取得法人の自己株式取得に係わる株式の数 n・・・みなし配当金額 n = (A ÷ B) × C |
社員の退社または脱退による持分の払戻し |
払戻法人・・・社員持分を払い戻した法人 A・・・払戻法人の払戻し直前の払戻法人の資本等の金額 B・・・払戻法人の払戻し直前の発行済株式総数 C・・・内国法人が払戻し直前に有していた払戻法人の株式の数 n・・・みなし配当金額 n = (A ÷ B) × C |