繰延資産の範囲


繰延資産とは、支出の効果がその支出以後1年以上に及ぶもので下記に掲げるものを言います。(法人税法2、法人税法施行例14(1))

区分1創業費発起人に支払う報酬、設立登記のために支出した登録免許税その他法人の設立のために支出する費用で、その法人の負担すべきもの。
商法でも認められている2建設利息商法第291条第1項の利息の配当の規定により、株主に配当する利息を言います。
3開業費法人の設立後営業開始するまでの間に開業準備のたんめ特別に支出する費用。(特別に支出する費用には、開業のための宣伝広告費、接待交際費が含まれますが、設立してから開業までに支出された支払利子、使用人給与、借家料、電気ガス水道料金等のように経常的な費用は含まれません。)
4試験研究費新たな製品の製造または新たな技術の発明にかかる試験研究のために、特別に支出する費用を言います。
5開発費新たな技術もしくは新たな経営組織の採用、資源の開発、市場の開拓または新たな事業開始のために特別に支出する費用を言います。
6新株発行費株券等の印刷費、資本または出資の増加の登記登録免許税その他資本または出資の増加に伴う株式の発行のために支出する費用を言います。(株式申込証、目論見書等の印刷費、株式募集のための広告費、金融機関または証券会社の取扱手数料のほか、株式を発行しない場合の資本の増加の登記に要する費用、出資証券の発行のために要する費用も含まれます。)
7社債発行費社債券等の印刷費、転換社債の登記登録免許税その他債権の発行のために支出する費用です。(社債申込証、目論見書等の印刷費、社債の発行のための広告費、金融機関または商圏会社の取扱手数料その他社債の発行のために支出した費用も含まれます。)
8社債発行差金法人が社債を発行した場合における社債権者に償還すべき社債の金額の合計額から、社債の発行価額の合計額を控除した金額その他これに準ずるもの。(特別の法律により設立された法人の発行する金融債権の発行差金も含まれます。)
税法固有91〜8に掲げるもののほか1〜8に掲げるもののほか、次に掲げる費用で支出する効果が支出後1年以上及ぶもの。
  • 自己が便益を受ける公共施設または共同的施設の設置または改良のために支出する費用(会館の建設負担金、共同のアーケード、すずらん灯の負担金など)
  • 資産を賃借しまたは使用するために支出する権利金、立退料その他の費用
  • 役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用(プロ野球選手との契約金、ノウハウの頭金、ソフトウェアの提供を受けるための費用)
  • 製品等の広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用(特約店に対する広告宣伝用の看板、ネオンサイン、陳列棚、緞帳(どんちょう)、自動車などの資産、または、著しく低い対価で譲渡した場合におけるその資産の取得価額またはその資産の取得価額から譲渡価額を控除した金額)
  • 上記までに掲げる費用のほか、自己が便益を受けるために支出する費用(同業者団体の加入金など)



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