青色申告制度


青色申告、白色申告という言葉を耳にしたことがあると思います。その名の通り、申告書の色が青と白なのですが、単に申告書の色が違うだけなのでしょうか。青色申告と白色申告の違いなどを、青色申告を中心に説明していきます。

帳簿書類


青色申告は、「帳簿書類をちゃんと記録・保存する義務があるが、見返りとして様々な特典が与えられている。」反対に白色申告は、「帳簿書類を記録・保存する義務はないが、なにも特典がない。」などとよく耳にすいますね。本当にそうでしょうか。主な違いを表にしてみました。

項目青色申告白色申告
帳簿書類の備付すべての取引を仕訳帳(複式簿記による)、すべての取引を総勘定元帳その他必要な帳簿を備え、別表二十「青色申告の提出の承認を受けようとする法人の帳簿の記載事項」に掲げる区分に応じて、取引に関する事項を記載しなければならない。(法人税法施行規則54)別表二十の紹介は省略しました。 次に掲げるところにより、帳簿を備え付けて、これにその取引を簡易な方法により記録し、かつ、保存しなければならない。

  • 現金出納帳その他必要な帳簿を備え、その取引に関する事項を整然t、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づいて決算をおこなわなければならない。
  • 簡易な方法とは、別表二十二「普通法人の帳簿の記録方法」に掲げる区分に応じる方法(法人税法施行規則66A)別表二十二の紹介は省略しました。
帳簿書類の整理・保存(消費税法を考慮しない)
  • 取引に関する帳簿及び記載事項に掲げる帳簿及び資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引に関して作成されたその他の書類
  • 棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに決算に関して作成されたその他の書類
  • 取引に関して、相手方から受け取った注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し
  • 取引に関して、相手方から受け取った注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し
  • 棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに決算に関して作成されたその他の書類


上記は、帳簿書類に関してまとめたものです。どうでしょう、「白色申告だから帳簿書類は作成・保存する必要がない。」という噂は、間違いのようですね。

青色申告の特典


「青色申告を選択すると、白色申告より特典が多くていいよ。」という話を耳にしたことがあると思います。「ふぅ〜ん。そうなの。」なんて、分かっているフリをしていませんか?青色申告の特典の主なものを簡単に列挙してみましょう。

所得計算税額控除更正、不服申立て還付
  • 青色申告を提出した事業年度の青色欠損金を繰越控除できます。
  • 各種準備金の積立額を損金算入できます。
  • 各種特別償却額を損金算入できます。

など
  • 試験研究費が増額した場合等の法人税額の特別控除
  • エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合等の法人税額の特別控除
  • 電子機器利用設備を取得した場合等の法人税額の特別控除
  • 事業基盤化設備を取得した場合等の法人税額の特別控除

など
  • 申告内容の更正には、備え付けられている帳簿書類の調査が必要(法人税法130@)
  • 課税標準又は欠損額の更正の理由を付記(法人税法130A)
  • 推計による更正又は決定の適用除外(法人税法131)
  • 更正があった場合の税務署長に対する異議申立てか、国税不服審判所に対するう審査請求を選択できる(国税通則法75C)

など
  • 欠損金繰戻しによる還付(法人税法81)

など


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