使いこなそう!弥生会計---決算書編---
建設業決算報告書形式での決算報告書出力
勘定科目の集計や名称の変更が終わりましたら、今度は表題の変更です。この変更も「集計表」->「決算書」->「決算書設定...」で行います。変更する表題等の一覧を以下に紹介してみましょう。
区分 | 弥生会計 | 建設業 | 追加 |
損益計算書 | --- | 完成工事総利益 | 不可 |
--- | 兼業事業売上高 |
|
--- | 兼業事業売上原価 |
|
--- | 兼業事業総利益 | 不可 |
|
|
|
当期製品製造原価 | 完成工事原価 |
|
製造原価報告書 | 製造原価報告書 | 完成工事原価報告書 |
|
期首材料棚卸高 | --- |
|
期末材料棚卸高 | --- |
|
製造経費 | 経費 |
|
製造経費合計 | 経費合計 |
|
総製造費用 | 完成工事原価合計 |
|
期首仕掛品棚卸高 | --- |
|
期首半製品棚卸高 | --- |
|
期首仕掛品棚卸高 | --- |
|
期末半製品棚卸高 | --- |
|
他勘定振替 | --- |
|
当期製品製造原価 | 当期完成工事原価 |
|
表題の変更の方法は、勘定科目の変更と同じです。
変更したい項目を選択すると、「変更...」ボタンをクリックできるようになります。
上記の表をご覧ください。弥生会計の区分で「---」となっている箇所があります。これは、弥生会計に設定されていない項目ですので、新規に作成することになります。作成方法は、勘定科目を新規に作成する方法と同じです。
ここで作成された集計科目は、そのまま損益計算書で出力されます。なお、一覧表の追加区分で「不可」となっている項目は、追加することができません。これだけは、建設業決算報告書の財務諸表に転記するときに、それぞれ計算してください。
建設業の区分で「---」となっている箇所がありますね。これは、出力する必要がないものなので、変更する必要がないことを示しています。削除してもかまいませんが、取引を入力しなければ出力されることがありませんので、そのままにしておいても構いません。
ところが、出力させない項目である「期首材料棚卸高」、「期末材料棚卸高」、「期首仕掛品棚卸高」や「期末仕掛品棚卸高」は決算時の仕訳でよく使われますね。特に「期首仕掛品棚卸高」と「期末仕掛品棚卸高」は、勘定科目の名称こそ変更していませんが、「未成工事支出金」に対応する科目です。どうすればよいでしょう。ここで、仕訳を思い浮かべてください。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
期首材料棚卸高 | xxx | 原材料 | xxx |
原材料 | xxx | 期末材料棚卸高 | xxx |
期首未成工事支出金 | xxx | 未成工事支出金 | xxx |
未成工事支出金 | xxx | 期末未成工事支出金 | xxx |
上記の仕訳を次のように入力すると解決できます。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
材料仕入高 | xxx | 原材料 | xxx |
原材料 | xxx | 材料仕入高 | xxx |
材料仕入高 | xxx | 未成工事支出金 | xxx |
給与 | xxx |
外注費 | xxx |
未成工事支出金 | xxx | 材料仕入高 | xxx |
給与 | xxx |
外注費 | xxx |
期首の在庫額等をそれぞれの勘定科目に振り替えて、期末の在庫額を各勘定科目から振替える。でも期中から次のように仕訳している場合は、上記の通りの仕訳を入力する必要がありません。
材料を掛けで仕入れた。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
原材料 | xxx | 工事未払金 | xxx |
材料を現場に投入した。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
未成工事支出金 | xxx | 原材料 | xxx |
今月分の人件費を支払った。ただし、工事は30%しか完成していない。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
未成工事支出金 | xxx | 現金 | xxx |
給与 | xxx |
工事が完成した。
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
材料仕入高 | xxx | 未成工事支出金 | xxx |
給与 | xxx |
少々面倒かもしれませんが、最初に設定しておくと建設業決算報告の財務諸表に転記するときの誤りを減らすことができます。
戻る|インデックス