利益処分方式による諸準備金等の取扱い
(利益処分方式による諸準備金等の計上顎)
40.
諸準備金等に係る一時差異について、税効果会計を第15項に定めにしだかって適用すると税効果額が繰延税金負債として計上され、同額が損益計算書上の法人税等調整額に借記した額だけ税効果会計を適用する前に比べて減少する。したがって、諸準備金等は、資本の部に繰延税金負債控除語の純額をもって計上すれば十分である。つまり、資本の部に計上する諸準備金等については、繰延税金負債控除後の純額を利益処分方式により積み立てることとなる。このように諸準備金等の計上方式については、従前とは異なる処理となるため、特に留意を要する。
例えば、法定実効税率が40%の場合に、圧縮積立金100を積み立てて、税金40(100×40%を減額した例を想定する。従来の処理では、資本の部に100の圧縮積立金が計上され、課税所得の計算上、税金40を繰り延べていた。これに対して税効果会計適用後は、圧縮積立金は繰延税金負債控除後の純額をもって利益処分方式により積み立てることとなるため、税効果相当額の40が繰延税金負債として計上されるとともに、翌期に圧縮積立金60が利益処分により積み立てられることとなる。
なお、従来、いったん資本の部で積み立てられた諸準備金等は、その後の年度で税務上の加算に対応して取崩が行われていなかった実務もあったようであるが、今後は税務上の加算に対応して取り崩すことにする。
(税率変更があった場合の取扱い)
41.
税率が変更された場合の繰延税金負債の修正差額の処理に関し、通常の処理に加えて、税率変更に係る改正税法が公布された日を含む年度に係る利益処分を通じた当該修正差額の諸準備金等への調整(加減)を行うことにより、修正差額調整後の諸準備金等の金額と繰延税金負債の金額との合計額は一時差異の金額と一致することになる(第20項参照。)