『 我のみやあはれと思はん きりぎりす鳴く夕かげの大和撫子 』 古 今 秋歌上
「太陽の都」の裏手あたりの土手、その土手をゴルフ場側に下りたあたり。
土手の草が刈られる二日前に撮影したもので、今は見ることはできない。
『 野辺見れば なでしこの花 咲きにけり 我が待つ秋は 近づくらしも 』 万葉から
『 御前に、乱れがはしき前栽なども植ゑさせたまはず、撫子の色をととのへたる、唐の、大和の、籬いとなつかしく結ひなして、
咲き乱れたる夕ばえ、いみじく見ゆ。皆、立ち寄りて、心のままにも折り取らぬを、飽かず思ひつつやすらふ。』
源氏「常夏」から。
源氏には「折り枝」(折々の花木を贈りものなどに添えて使われた。また文、歌そのものを表わす。)として撫子がでている。
「帚木」から
『 心細かりければ、幼き者などもありしに、思ひわづらひて、撫子の花を折りて、おこせたりし 』
「紅葉賀」から
『 何となく青み渡れる中に、常夏の、花やかに咲き出でたるを、をらせ給ひて、命婦の君のもとに、かき給ふ。事多かるべし。』
「葵」から
『 枯れたる下草の中に、りんどう・撫子などの咲き出でたるを、折らせ給ひて、』
「 撫し子やものなつかしき昔ぶり 」 正岡子規
下は、「唐の、大和の」のうちの唐撫子(石竹)。
ちなみに「石榴」は「ざくろ」。「石楠」は「しゃくなげ」。「石蒜」は「ひがん花」。