テッポウ虫対策(カミキリムシの幼虫)

対策の基本的条件
 1.根本の状態が見える
 2.シュートが発見できる
 3.根本のメンテができる
 4.やりやすい、幹やシュートが何本もあっても対策ができる
 5.手近で安価な材料でできる
 6.何年も使える

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2016年のカミキリムシ対策
バラの地面に近い部分を軽い固形物のようなもので覆うようにすればカミキリムシが入り込めないのではないかと考えた。
@ざるに盛る
百均で買ったプラスチックざるの底を切り抜き、側面も切って、バラの根本に置き、ガラスを発砲させた防犯用のジャリを盛った。
15cmくらいの高さであるがカミキリムシは入り込めないと思う。
A同様にレンガでバラの根元を囲い、発泡砂利を盛った。
根元が広く枝が複雑なバラにはやりやすい。
@                                        A
 

この対策をしたバラは木屑が出ることもなく無事に1シーズンを終えることができた。
10月には発泡砂利を回収し通常の状態に戻した。
この対策に使用した発泡砂利はアイリスオーヤマの「防犯防草のジャリ」というものである。
ガラスを発砲させて、軽石のように軽い。
これを使用して何だか大変な問題に気が付いた。
手の甲がアトピーのように荒れて酷い状態になる。どうやらガラスの細かい粉が手の甲の隙間に入り込んで炎症を起こすようだ。
この炎症はとても酷く、ぶつぶつができ、かゆみが強く、手の甲がボロボロになる。
写真はだいぶ良くなった時のもので、黒ずみが残っている。一時は大変な炎症であった。
設置の時は袋から入れるのでそれほど問題はなかったが、かたずけの時は軍手で拾い集め袋に入れる作業である。
かたずけの作業は2〜3日で終わるが、暫くすると手の甲は大変荒れてきた。
軍手を洗っても、細かいガラス粉は残り、作業をするたびに炎症ができた。その後1年にわたり酷い状態に悩んだ。
軍手を何度も洗ってもガラス粉は手袋の繊維に残るようで作業をするたびに悪化した。
バラの根元の地面にも細かいガラス粉が残っていて、新しい軍手であっても除草などで根元の土を触るとガラス粉が入り込む。
沢山あった軍手は全て捨てて新しいものに買い替えた。炎症はだいぶ良くなってきたが、半年経っても完治していない。
このガラス発泡砂利を取り扱う時はゴム手袋を使用すべきだ。地面の土を触る時も軍手はだめで、ゴム手袋を使用することにしている。
たぶんこのガラス粉を吸い込むと、肺にアスベスト並みの悪影響が出るのではないか。
ガラスの粉が肺の内壁に刺さってチクチクと何年、何十年刺激を続けることになり、塵肺だけでなく癌の発生も懸念される。
最低でもマスクをする必要がある。マスクは必ず一回で捨てること。防じんマスクが良いが、そこまでしてこの砂利を使うことはない。
当然この発泡砂利は廃棄した。あぁ恐ろしや!
使用上の注意事項には何も書いてありません。絶対使わない方が良いと思います。
 

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2017年のカミキリムシ対策
6月の月末から7月の始め位の時期に、夕方カミキリムシがバラの枝の先端から中ほどにとまっていることがよくある。
毎日夕方に気を付けて見回ると見つけることができる。この2週間ほどに8匹のカミキリムシを捕獲した。
軍手を2重にして、手掴みで捕まえるのが確実である。
カミキリムシは雄と交尾した後枝を伝って根元に降りていき、夜の間に樹皮をかじって穴を開け、卵を産み付ける。
夜も見回ると良いが、懐中電灯で庭を見回るのは、食事後のくつろいでいる時であるからなかなかできない。
体の大きさが比較的小さく、体長に比べて触覚の長いほうが雄、体が大きくがっしりとしているのが雌のようである。
捕まえたカミキリムシは雄のほうが多いようだ。
捕まえたら液体洗剤入りの容器に入れればほどなく息絶える。生命力は極めて強い。
7、8、9月に来ると言われているが、前記の期間以外は発見しなかった。ということは、その期間(6月の月末から7月の始め)は集中して見回るのが良いようだ。
なんといっても諸悪の根源は卵を産み付けられることである。

1.前年度と同様のざるに今度は鉢底石用の軽石を盛った。軽石は天然の石であるから特に問題は無いようだ。
嬉しいことに知らない間にシュートも出ていた。石が軽いのでシュートが自分で押し広げて出てきたようだ。
 

軽石でできた鉢底石の擦れて粉になったものは細かい土のようで触った感じはとげとげしくない。
 

2.根元から30cmをネットで覆う
10mm桝のトリカルネット(幅1m、タキロン)を35cmほど切り、一周してつなぐ。枝の部分に切れ目を入れて上でネットを重ね、要所を縛ると簡単にできる。
ネットが10mmになっているので寸法が分かりやすく、しなやかに曲がり、ハサミで切りやすい。
最初はタコひもを使用していたが、園芸用の細い針金のほうが楽に止められる。中に刺してピンセットまたはラジオペンチで引き出し、クリっと曲げれば留まる。
中が見えるので、シュートが出て来たら、予想個所を切り開いておく。雑草が生えて来たら小さいうちにピンセットで抜く。
まだ出ている枝が心配な場合は台所の排水ネットを巻いておく。通気性も良く安価でカミキリムシはこの上を歩きにくいだろうし、食いきれないと思う。
 

バラが大きく枝が広がっている時は、ネットを繋いで一周させ、高さを長く切れば上でネットを重ねられる。
ネットの寸法の目安  長さ(1m以上は繋ぐ)直径×3.5  高さ30cm+直径×0.7
地上30cmの所の枝が入る大きさに切る。4角形であったり、楕円であったりするので、適宜寸法を調整する。
支柱がある場合には枝として一部を縛り付けると丈夫になる。
一周した後、天井のように一枚かぶせても良い。平らになっていると落ち葉が溜まって困る。
 

幹が広がっていないバラは楽に一周でき、簡単にネットをかけられる。
低く広がっている場合は、ネットの途中から出しても良い。
 

以上の対策をしたもの今年木屑は出ず、無事であった。トリカルネットの10mm桝カミキリムシ通れないようだ。格子の幅が2mmあるので穴の大きさは実際には8mm角になっている。
トリカルネットは耐久性があるようなので、何年もこのまま使用できると思われる。
ざるに鉢底石を盛ったものは、実際には根元は見えないので木屑は確認できないが、木屑を出そうと思えば鉢底石より上に出すと思われるので、テッポウムシは入っていないと思われる。

その他の併用した対策
1.写真にはタンスの防虫用のナフタリンがぶら下げてある。約一ヶ月程度もつ。安くてたくさん数があるので一袋買えば十分。
細いひもにナフタリンを紙の袋のままホッチキスで留めてぶら下げる。木の中くらいから根元に近い所に設置。
カミキリムシは匂いで木を判断するようなので、ナフタリンの匂いで分からなくする作用があるようだ。
2.幹には水溶性樹脂を少し水で薄めてスミチオンとオルトラン(殺虫剤)を混ぜて木に塗りつけている。
以前はスプレーで拭きかけていたが、かなり水で薄めなければならず、何度も吹きかける必要があり、雨が降るとすぐに溶けてしまっているようだ。
濃い目の液を筆で塗りつけるとかなり厚く塗ることができ、1シーズン程度はもつようだ。梅雨で溶けてしまっている場合があるので6月初、7月終の2回塗ると確実。
この効果は、木の匂いが遮断され、樹皮がコーティングされて硬くなる、かじると殺虫剤で死ぬなどの3っつの効果が期待できる。
ボロボロの樹皮は樹脂で固めることにより鎧のようになりカミキリムシがかじって穴を開けることが困難になる。
このように今年は大変な時間と労力をつぎ込んだのだが、10年以上の老バラは何度もテッポウムシの害に合いようやくしっかりと防御できそうなのだが、もっと早く対策をしておくと木もボロボロにならずに済んだかと思うと、はや遅い感がある。

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テッポウ虫に食われるとこんなにひどく食い荒らされる
幹の半分位無くなっている、もうだめかと思ったがいまはとても元気に花を咲かせている。
DSCF0347a.jpg (45850 バイト)シャリファアスマ

木くずが出ている、穴を探すと結構大きな穴が、奥が広がっていて深い。
チューブはスミチオン(殺虫剤)を注入しているところ。
DSCF1373a.jpg (67618 バイト)  DSCF1375a.jpg (59614 バイト)フェリシア

木くずが出ている、穴を探すと結構大きな穴が、奥が広がっていて深い。
チューブはスミチオン(殺虫剤)を注入しているところ。
DSCF1397a.jpg (56019 バイト)  DSCF1400a.jpg (64298 バイト)ゴールデンセレブレーション

DSCF1398a.jpg (69966 バイト)  DSCF1401a.jpg (69074 バイト)エブリン

DSCF1396a.jpg (64020 バイト)  DSCF1399a.jpg (58061 バイト)ジェーンオースチン

ヤマボウシ
地面から少し上の所に3匹のテッポウ虫が1/3ずつ食っていた。ヤマボウシはこの後瀕死の状態であったが今は生き延びている。
DSCF1444a.jpg (56139 バイト)ヤマボウシ

テッポウ虫が食って枯れた薔薇を輪切りにしてみた。かなり根の奥の方まで食っている。
DSCF0726a.jpg (31834 バイト)エレン

テッポウ虫 右は何故か変な虫が同居していた。
DSCF1441a.jpg (52555 バイト)  DSCF1834a.jpg (49634 バイト)

対策方法
基本的には地面から20〜30cmをカミキリムシ(親)が卵を産めないようにカバーすること。

対策1
不織布を巻き付ける  やりやすいが、欠点はシュートが見えないので早めに取り外さなければならない。
DSCF1902a.jpg (51377 バイト)

対策2
100均で売っているざるの底を切り抜き、砂を入れる。網をかぶせて各所縛り、下はざるに縛る
シュートは見えるし、網を上げれば中もメンテできる。
中はよく見える。シュートが出てきたら、出そうな所を切り開き、出終わったら穴を小さく縛っておく。
DSCF1905a.jpg (58421 バイト)

対策3
網戸の網を巻き、ホッチキスで留める。網自身の強度で地面と隙間を無くす。
中はよく見える。シュートが出てきたら、出そうな所を切り開き、出終わったらまたホッチキスで留める。
網を上げれば草取りなどメンテができる。
100均で2m長くらいの網戸用網を売っている。これで5〜6株の対策ができる。
40cm程度に切り取り、幹の部分をハサミで切り込みを入れ、一週回して要所をホッチキスで留める。
トゲは先をハサミで切っておくと刺さることが少ない。革手袋をして慎重に網をかぶせる。
ホッチキスの針はステンレス製のものがある。これなら錆びない。
DSCF1895a.jpg (65511 バイト)  DSCF1903a.jpg (60907 バイト)

ヤマボウシや、桜、リンゴ、ライラックなど幹が一本の物は網を巻くだけでよいので対策は簡単である。

ペットボトルを切り取り、根本にかぶせるだけで簡単に防ぐことができる。
心配であれば切り口に何か詰め物をしておくと良い。

リンゴ(フジ)                キンカン                  サクラ
D2199フジ.jpg (53564 バイト) D2200キンカン.jpg (51015 バイト) D2202サクラ.jpg (42810 バイト)

網を巻くだけでもほぼ完全に防ぐことができる。

キンモクセイ
D2201キンモクセイ.jpg (53771 バイト)

食われて木くずが出てからでは遅いので、しっかり対策しておいた方が後悔先に立たずです。

とにかく頻繁にテッポウ虫は飛んでくる!

網を完璧にかけたつもりでもカミキリムシはどこからか入り込み、卵を産み付ける事がある。確実に予防するためには、殺虫剤(スミチオンとオルトラン)を既定より濃いめにして根本の高さ30cm位までスプレーで毎週くらい頻繁にかけると卵が死ぬか、幼虫になっても死んでしまうので、カミキリムシに卵を産み付けられてもテッポウ虫として幹の中を食い荒らされる事が少ない。
カミキリ虫は卵を産む前に木の皮を食って穴を開けるようです。その時に殺虫剤が皮にかかっていると弱るか死んでしまうので、卵を産み付けることが無くなります。
希に、網をかけても、30cmより高い所の枝にテッポウ虫が入っている事がある。高い所の太めの枝にも殺虫剤を念のためかけておきましょう。

テッポウ虫が奥の方に食い荒らす前に退治したいものです。
8月の終わり頃はまだ木の皮の裏付近にいます。木くずを毎日しっかりチェックし、殺虫剤も高頻度にかけましょう。
割り箸や少し固い棒などで木の皮を押すと凹む場合があります。こういう時はテッポウ虫の食った道がある可能性があります。道沿いに皮を剥がしていくと、うまくするとテッポウ虫を捕まえることができます。

テッポウ虫用スプレーがあるので、最近はもっぱらそれを利用している。