石鯛釣りの仕掛け集

石鯛は、水深50メートルまでの岩礁地帯に住み、斧のような鋭い歯で磯に付いているカメノテやフジツボ、また岩底に住むウニ、カニやエビ等の甲殻類を食物にしている。したがってこのイシダイの特色を知って、えさ、竿、仕掛けを考えるべきである。

餌は基本的には、その地域で使われているものを2,3種類持参する。

竿は、一般に石鯛釣り用に販売されているものなら何でも良い。あとは、自分の好みで継ぎ竿か振り出し竿か決めれば良いし、竿の長さ強さも、自分の体力を考えて決めれば良いと思います。基本的には、短いよりは長い方が、柔らかいよりは腰の強い方が、引きの強い石鯛を釣るには適していると思われる。

仕掛けに付いては、岩礁地帯、岩底を釣るので餌が海中に浮かないように、なおかつ、針、仕掛けが根掛かりをしないように工夫をする必要がある。が石鯛に抵抗感を与えないようにできるだけシンプルな方が好ましい。針やハリスの大きさについては、ねらう石鯛の大きさ、使用する餌によって決められるが、ふつう針は16号、ハリスはワイヤーハリス17番を基準として、釣行する場所ポイントにてよく使用されているものを使うと良い。

ちなみに私は、竿は、4本継中硬調5,25M〜5,00M(NFT石鯛ベイシス中硬5,25、軟調5,00、ダイコウプレシオ石鯛M5,00)、道糸は漁業専用ナイロン糸201000M巻きを使用して白くなったら早めに取り替えるようにしている。仕掛けは、長岡式天秤を使用した捨て重り方式の一本やり、捨て糸は50センチ、ハリスは石鯛針16号以上のとき37番ワイヤー15号以下のときは38番を25センチ首振り仕掛けと決めている。本来ならば前述したように場所ポイント季節などを考慮して多様な方法を取るべきだが、私は何処に行くにも同じ方式でとうしています。別に理由はありません。?

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私のイシダイ学

初心者の方にそっと、お教しえする仕掛けの作り方。

1)プロローグ

2)私の使用する仕掛け

3)仕掛けの作り方

 

1)プロローグ

おおよそ、道糸から針先までいわゆる「魚釣り道具」は、魚を釣るために存在する。故に、我々の目にする多くの釣りに関する道具は、ターゲットとする魚を釣るためにはどうするか、いかに多くの魚を釣り上げるかを目的として、いろいろ考案され作られる。ねらう魚はイシダイ。それも60センチを超える大型イシダイも目標に入れて一般的に40〜50センチ、2KG前後のイシダイを数多く釣り上がるためには、どんな道具立てをしたらいいのか、特に仕掛けを中心に考えてみたいと思います。

イシダイは日本各地でいろいろの名前で呼ばれています。一般的にはイシダイ、シマダイ、瀬戸内ではクチグロ、九州地方ではヒシャ、四国ではコオロウ、伊豆地方でワサラビなどなど。それだけに釣法も各地で千差万別。エサも違えばそれを付ける仕掛けもたくさん考案されています。又、イシダイ釣師といわれている人たちは頑固一徹者が多く、なかなか人の言うことに頭をなびかせません。言うならばイシダイ釣師一人一人にそれぞれの仕掛けがあるわけで、どの仕掛けが一番イシダイを釣るのに適しているか。誰も断言できません。中には「日本釣魚大全」を書かれた長岡氏のように実験をくり返し科学的に考察され、日本のイシダイ釣の歴史に新しい1ページを加えられた方や、各地それぞれの地方で石鯛釣りに精通され、新しい釣法、新しい仕掛けを考案された有名釣師のかたもたくさん居られます。そういった人たちの釣り方、仕掛けや、私が各地で出会い教えを頂いた先輩各氏のご意見を参考にしながら、私の数少ない経験の中から到達した、今現在私が一番いいと思って、使用している仕掛けを紹介したいと思います。

2)現在使用している仕掛け

イシダイは一にも二にも潮を釣れと言われます。すなわち、上り潮、下り潮、満ち潮、引き潮、それぞれ、その時の潮によってイシダイの釣れるポイントがA級にもなりB級にもなるわけで、その見極めと言うか潮を読むと言う事が石鯛釣り其の釣果を左右することになります。言い換えると、潮の動き始め止まりかけを含めて常に潮の動いているとき、イシダイのいるポイントに餌を届けてやる必要があるわけで、其のためには、道糸の太さとオモリのバランス、根掛り、餌取りの有無、などを入力し、なをかつイシダイの習性特性、特にイシダイは餌を噛むのか吸うのか、目は良く見えるのか、色は識別するのか、鼻は良く効くのか、音には敏感か等などを考慮して仕掛けを工夫する必要があります。石鯛釣りは潮とポイント、餌、マキエ、釣技であって仕掛けなんてあまり関係ないと言われるベテラン釣師も多く居られます。まさに其の通りかもしれませんが、私のようにサンデーアングラーにとっては、必ずしも潮の良いときに釣りに行けるわけでもなく、よしんば行けても一級ポイントには地元の常連とやらが陣取っており、なかなか思った磯には上がれませんし、思うように釣果も上がりません。しかし、行けば、一日に一回くらいはイシダイと思わしきアタリが有るものです。又、運が良ければ、たくさん並んだイシダイ竿の中から自分の竿だけを、イシダイが選んでくれる事もあるだろうし、たまにはそいつがとてつもなく大きな奴だったりする事も有ります。

釣りに行きたくても、時化でだめだったり、仕事その他の関係でどうしても行けないときは、過去に釣ったイシダイの事や、失敗を思い出し、必ず釣ってやろうと次回の釣行に思いをはせ一つ一つ針を結びネズレワイヤーを巻くなど仕掛け作りには、イシダイ釣師としての、夢やロマンがあると思います。

A)針 一般的には

魚の大きさ 1kg〜2kg 2kg〜3kg 3kg〜5kg 5kg以上
針の大きさ 13〜15号 14〜16号 16〜18号 17〜22号

と言われますが、私の仕掛袋の中には、11、12、13、14、15、16号と各1袋ずつ入れています。内11,12,16号は使っても年に2〜3本で圧倒的に14,15号を使います。なぜなら私は主に山陰地方への釣行が多く、使用するエサが、バフンウニ、サルボウ貝、サザエ、なので14,15号がちょうど程よい大きさだし、対応する魚の大きさが一番幅広いと考えるからです。。イシダイの唇にかけるにはふところが1センチもあれば良いので5kgまでの大きさには14号で充分だと思います。また針先は鋭い方が、硬いイシダイの皮肉によく突き刺さるので針先が鈍ってきたら取り替えるようにしています。

B)ハリス

私がイシダイ釣りを教わったのは、昭和48年頃大阪にいた時で、会社の先輩に南紀の磯によく連れていってもらいました。其の頃使っていた仕掛は、ハリスワイヤー38番7本より一ひろ、針14〜15号、針から30センチの所に1号位のオモリガン弾を噛み潰して止め、その上に30号の舟形錘を付けたもので(舟形オモリには上下二個所に螺旋状に針金が巻いてあり、オモリが根掛りした時にハリスワイヤーを強く引くとオモリが外れるようになっている)、根ヅレワイヤーとハリスが一体化したものでキャスチングすると舟形オモリがヒラヒラとゆっくり沈下しイシダイの興味をひき、尚且つ潮に流されないという特徴があります。甲殻類をガツガツと噛み砕く強い歯、口を持っており、20センチ程のイシダイでも4キログラムの力で紐をひく事の出来る強いひきを持つ石鯛を釣るにはワイヤーが一番、ハリの結びも本結び一本やりでした。

手許に、日本の磯釣りの開拓者、とくに石鯛釣りをこよなく愛された「橋 輿司男」氏がアテネ書房から出版(1982年第1版)された「イシダイの島を訪ねて」という本がありますが、昭和40年頃の石鯛釣りを氏の釣りをとうして詳しく述べられています。イシダイ釣りの初期には、野布袋の竹竿が主体であり、竹竿の強度の限界性から、道糸にはナイロン20号以上は全く使われず、標準は道糸ナイロン16号、これに見合うハリスワイアー38〜39番7本よりで、イシダイの5〜6キロ級と充分対抗できていたが、現在は強力なグラスロッドの天下となり道糸やハリスも太目に移行せざるを得ず、最近のように場荒れの激しいイシダイ場では、道具立がゴツすぎてなかなかイシダイが餌ずいてくれない。クチジロ、イシダイを含め5〜6キロ級のイシダイなら、NF17級の竿で充分であり、これなら釣り場によってはワイヤー仕掛けもよし、ナイロン仕掛けもよしだ。と書いて居られます。

現在は、竿は「強力なグラスロッド」どころか超強力なカーボンロッドの時代です。今、私の倉庫に眠っているその「強力なグラスロッド」を手に持って振ってみると、なんて言うか「べろんべろん」でとても頼りない感じです。この竿でも穂先が硬すぎるからアタリが取り難いと、穂先をソリッドに替えて使っていたのですから、なにをか言わんやです。イシダイ竿が、グラスからカーボンへと改良進化したように仕掛け作りにおいてもナイロン糸やワイヤー、サルカンも改良が加えられ同じ番数でも強さは格段に違うだろうし、それに変わる色々な素材も開発されて仕掛け作りにも、イシダイ釣師の先輩達がいろいろと工夫をされ、なるほどと感心するものが多くあります。その内全部とはいえませんが私が感じている事を書かせて頂きます。

ワイヤーハリス 7本よりワイヤー38番を基準として、使用する。針は14,15号、17号以上だと37番を使用する。大物の実績のある磯に上がれたら番手を1番上げる。

7本よりワイヤーのしなりが気になる場合49本よりの柔らかいワイヤーを使用しても良いが、針やサルカンとの結びの方法に工夫が要る。スリーブで止め、尚且つハンダ付けをする必要あり。

私は、磯の大者イシダイに敬意を表して常に7本よりワイヤー。モソモソとイシダイらしきアタリが有り、ワイヤーが1センチ幅でコの字型にキンクしていたらもう大変。底には60センチ級のイシダイがエサを狙っています。

ナイロンハリス 引っ張りの強度は、ワイヤーより強いと思います。針との結び目とエサがナイロン部分に掛からないよう尚且つ瀬ずれに気を付ければ、釣果が上がるかも。
ケプラーハリス ナイロンハリスと併用する事により、ナイロンハリスの欠点をカバーする事が出来る。また、ワイヤーとの結束をうまく工夫をすれば、針が自由に動くようになりワイヤーハリスにも同じ事が言える。私は、ナイロンハリスを使用する時に限りケプラーで針を結んでいます。
その他  

 

3)仕掛けの作り方

ワイヤーの撚りどうり1回まわしてに輪を作る。よく絞めてサルカンがやっと通るくらいに小さい輪を作りもう一回通して、そのまま右回りにくるくるとワイヤーを巻き付ける。あるいはスリープで止める。針の方も同じように針穴を通して、首振り結びに結ぶ。ハリスの長さは、針15号で、25センチ位とする。ハリスは長くても短くても釣果に関係ないので、ハリスが仕掛けに絡まないように、短めにしています。
ナイロンハリスは、サルカン側は、螺旋ワイヤーにハリスを差し込む。出来るだけ小さい輪を作りスリープで止める。針側は、ダイニーマノットU20号の芯を抜いて針を通して中に抜く。ナイロンハリスとの結びはナイロンをノットの中に通して8の字結びで結束する。
ネズレワイヤー。真空オモリ及び両方の輪を大きくした全遊動用テンビンを使用する時に使用。道糸に、九州の釣具店が作られたハリスが真っ直ぐになるよう工夫されたフック型サルカン(パワーサルカン)を結ぶ。ネズレワイヤーの片方は、小さい輪を作っておく。オモリ止め、浮止めゴム1センチを通してフック型サルカンを本結びに結束する。ネズレワイヤーの長さは、一ひろにする。
小生自作の、半遊動テンビンを使用する時に使う。オモリ止め、ゴムを通さず、シンプルな仕掛けとなる。ハリス側のサルカンは、フック型を多用するが、スクリュウサルカンは、絡みを防止するために、スクリュウが直に胴に付いているサルカンを使用する。(店主が石鯛釣りをされている釣具店しか売っていないかも)
弾力のあるピアノ線を使用。最初に小さい輪を作り、5センチ程とって、折り曲げる。中ほどに巻き付け、7センチの長さをとって大きい輪を作る。千枚通しを使って柄に巻き付けるようにすると作りやすいと思います。

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