今週のメッセージ 2000.1.9

人間の生活における宗教の位置づけ

 

 アメリカの話ですが新聞報道によると、2000年を迎え大統領選を前にして民主、共和両党の戦いが始まっているとのこと、そして新しい傾向として宗教が中央舞台に踊り出ているとのことです。

 その背景としては、離婚率や十代の女性の妊娠率は90年代に入って下降に転じたり伸びが止まる傾向を示してはいるものの、国民の間から共通の道徳観が姿を消しつつあることに漠然としたた不安が広がっていることがあるといわれます。

 とはいっても、今やアメリカ国民の大多数は伝統的かつ保守的なキリスト教的なキリスト教的道徳律への回帰は望んでいないとのことです。詰まり、一般化された宗教の必要は認めるものの、特定の宗派が支配的になることは望まないといったところのようです。宗教や価値観の多元化が進む中で、共通の道徳観を持てるかどうかが今やアメリカの重要課題になっているようです。

 翻ってわが国のことを考えてみますと、いろいろな意味で常にアメリカの後を追ってきた日本にあっては、離婚率や十代の女性の妊娠率はまだまだ増えていくのではないでしょうか。そうした中にあって宗教が担うべき役割は重大です。一部の宗教による社会問題の続発で宗教アレルギーが生まれていることは事実ですが、しかし、人間が真に人間らしく道徳的に生きることが出来るためには、「神を畏れる」こと、すなわち宗教というものが不可欠なのです。法律を強化するだけではどうにもなりません。わかっていてもやってしまうのが人間なのですから。

 

 「主を畏れることは知恵の初め。無知な者は知恵をも諭しをも侮る。」

(旧約聖書・箴言1:7)

 

Top