今週のメッセージ 2000.1.16

五木寛之著『人生の目的』

 

 今、五木寛之著『人生の目的』がよく読まれているようです。書店などに行くと、現在よく売れている本のベストテンが張り出されていたりしますが、小生の行きつけの書店ではトップにランクされています。

 『人生の目的』や『生きることの意味』といった問題は、小生の教会でもしばしば取り上げるテーマですので買い求めて読んでみました。

 その中で著者は、「すべての人間に上から押しつけられるような、一定の目的などない」と述べています。確かにそうだと思います。

また著者は、「正直にいえば、『人生の目的』がわからない」とも告白します。

 そこで終わってしまうならば、せっかく高い(?)金を出して買ったのに、となってしまいますが、著者は結論として、「人生の目的は、『自分の人生の目的』をさがすことである。自分ひとりの目的、世界中の誰ともちがう自分だけの『生きる意味』を見出すことである」と述べています。しかしまた他方では、「おそらく最後まで見出すことのできないものだろう」とも語っています。

 こうして結論だけ紹介すると薄っぺらに聞こえてしまいそうですが、全体を通じて大テーマを追求する著者の真摯で誠実な姿勢に心打たれます。自分の人生を思索する上でいろいろな示唆を与えてくれる本だと思います。

聖書に次のような言葉があります。

 

 「あなたがたは食べるにしろ飲むにしろ、何をするにしても、すべて神の栄光を現わすためにしなさい。」(新約聖書・Tコリント10:31)

 小生も、神の栄光を現わす自分自身の道が自分人生の道だと考え、それを模索しながら今日まで歩んできた次第です。