今週のメッセージ 2000.3.12

軌道をはずれたら凶器

 

当たり前のことですが、電車は軌道の上を走行している限りにおいて電車。軌道をはずれて走行しだしたら、それは最早電車ではなく、凶器と化した鉄の塊。先週、死者4人を含む30人以上の死傷者を出す惨事となった東京の営団地下鉄日比谷線の脱線、衝突事故は、如実にそのことを表わしています。私事になりますが、中目黒という駅は、生前父が乗り降りしていた駅であったため、遠くで起きた事故とは思えない感じがしました。

軌道を走行していてこそ電車、軌道からはずれたら...の原理は人間にもあてはまるように思います。このところ警察に関わる不祥事が相次ぎ、社会から大きな顰蹙を買っていることはご承知の通りですが、警察に限らず、政治家、高級官僚、大企業の幹部、教員から果ては宗教家までが、本来あってはならないスキャンダラスな事件を引き起こしている昨今です。しかも子どもでもその善悪の判断がつくようなことを間違えることによってです。つまり、「殺してはならない。姦淫してはならない。盗んではならない。隣人について偽証してはならない。...」、といった最も基本的な道徳規範を破ることによってです。

どうしてこんな事態を招いてしまったのでしょうか。実は原因は明白なのです。詰まる所、人間が神に離反してしまっているからです。神にかたどって造られている人間が、その神から離れてしまうことは人間でなくなる方向にしか向かわないのです。21世紀も間近というのに神なんて時代遅れな、という声が聞こえてきそうですが、神の言葉こそ、人間にとってその上を走行すべき軌道を示すものなのです。

 「神を畏れ、その戒めを守れ。これこそ、人間のすべて。」

(旧約聖書・コヘレトの言葉12章13節)

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