今週のメッセ−ジ 2000.4.9

お金の魔力

この世で生活していく限り、お金が必要なものであることは言うまでもないことです。今の子どもたちに、「いちばん欲しいものは?」と尋ねるなら、ほとんどの子どもたちが間髪を入れず、「お金!」と答えます。

しかし、お金は便利で魅力的なものだけに罠もつきまとっています。

先週、新聞を見ている『オトコのミカタ』というコラムに、カバ園長で知られる西山氏(東武動物公園園長)のご意見が載っていました。氏は、野生の動物の場合、子どもの数はほとんど「食べ物」に拠っており、食料が豊富なら増えるし、不足していれば減る。しかし、動物園となると事情が異なり、エサが豊富でも子どもを産まない。精神の安定や適度の刺激が必要になる。そしてさらに人間社会における少子化の問題に触れ、「食べ物」に代わって何でもお金に換算する世の中になってしまったことが影響しているのではないか、と述べていました。

そして、当日の新聞の他ページに、ゲームソフトでしられるおもちゃのメーカー『バンダイ』が、少子化対策として、社員や配偶者の出産において、第三子以降、何人でも生まれる度に百万円を支給することにしたという記事が載っていました。言うまでもなく、売り上げ増加のための戦略の第一歩というわけです。

百万円欲しさのために子どもを生む人が出てくるかもしれないと思いました。生命の出産がお金獲得の手段となってしまうことになります。西山氏とは逆の意味で、ここにもお金に換算する世の中があると思いました。今の日本はお金にまつわる狂いが生じています。このままでは危ない国となってしまっています。

「金銭の欲は、すべての悪の根です。」(新約聖書・Tテモテ6:10)

 

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