今週のメッセージ 2000.5.7

今、根源が問われている

日本中がみんな同じ思いではないでしょうか。このGWの期間中に、相次いで同じ17歳の少年による殺人事件が起きました。最近は、少年による凶悪事件が頻発しています。動機は何なのか、彼らの中で今、何が起きているのか、といった問を持ちながら、その回答が見出せず戸惑っている状態です。

 先週の「子供の日」の『朝日』の社説では、こうした最近の社会的背景に基づきながら、評論家、専門家の意見をまじえ、いくつかの問題点の指摘や提言がなされていました。

家族が全体的に教育を中心とした家族へと変化する中で、子どもたちが自分の夢や願いを抑圧され、それが大きなストレスになっていること、「群れ遊び」が消える中で、それが子どもの成長に果して来た役割が失われてしまっていること、パソコンや携帯電話が普及する中で、生身の体と体のぶつかり合いが疎遠になってしまっていること、そして、無条件でありのままを受け入れてもらえることの大切さ、といった事柄が述べられていました。

方法や実際も然る事ながら、詰まる所、わたしたちの価値観、人間観、人生観といった最も根源的なところが問われているように思います。

昨年、天に召された作家三浦綾子さんが、ある講演の中で「教(おしえ)の宗(もと)」の必要について説いておられましたが、こうした根源的な問に光を与えてくれるのが「宗教」です。宗教がらみの問題も多く起きているためとかく敬遠されがちですが、今こそ「宗教」の出番だと考えます。

『人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる』(新約聖書・マタイ福音書44節)

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