今週のメッセージ 2000.8.6

神と人とに真向かうことの大切さ

昨日の『朝日』で天声人語氏がある高1の女生徒の指摘を紹介していた。

それは彼女が夏休みに入り、最初の1週間を知り合いの家で泊まった時のことなのだが、その家は共働きの両親と小学生の子ども二人の四人家族。子どもの友達が遊びに来ていたので、父親が部屋を覗いたところ、みんなてんでバラバラに本を読んだり、テレビゲームをしたり。そこで父親は彼女に、あれでは遊びに来ても意味がないよね、と語った。

その時彼女は、前日のこの家の夕食の光景を思い出した。いつもは仕事が忙しく、ほとんど子どもたちと一緒にいる時間のない父親が、この日は珍しく一緒だった。ところが、父親はテレビの野球中継に夢中。母親は台所との間を行ったり来たり。そして子どもたちは食べてばかり。夕食の食卓でも家族はみんなバラバラ。

そこで彼女は思ったのだ。子どもたちのバラバラを批判した父親も、自分が同じようなことをしていることに全く気づいていないではないかと。

天声人語氏は言う、これは現代のどの家庭にもあるありふれた光景ではないかと。そして、「まず、テレビを消してみましょうか」と文章を結んでいた。

生身の人間が、特に最も親密であるはずの家族の間でも、互いに真向かうということが疎かにされがちなことを反省させられる思いがしました。

また、神に対しても、人は真向かうことをすっかり忘れてしまっていることに気づく必要があると思います。

「見よ、わたしは戸の外に立って、たたいている。だれでもわたしの声を聞いて戸をあけるなら、わたしはその中にはいって彼と食を共にし、彼もまたわたしと食を共にするであろう。」(イエス・キリスト)