今週のメッセージ 2000.8.27

日曜日をどう過ごすか

朝日新聞(826付け朝刊)に、例の森首相の「神の国発言」に関する田原総一朗氏のコメント記事が載っていました。その中で氏は、首相の発言の意図が、今の教育荒廃の原因に日本人の信仰心の喪失があるとし、従って信仰心を回復するために神とか天皇とかが秩序の中心になる必要がると考えているところにあるようだと述べ、他方、そうした首相の発言に対して、左翼・文化人・メディア等が批判はしたものの対案を示せなかったところに問題がある、と指摘していました。その指摘は当を得ているように思います。

そこで、左翼・文化人・メディアを代表してというわけではありませんが、日頃から考え、また折々説いてきたことを記してみます。

それは日曜日の過ごし方と関連しています。大人も子どもも日曜日は“寝て曜日”として過ごしてきたきらいがあります。大人も子どもも忙しい生活を強いられる傾向がありますから、無理からぬことといえます。しかし、ただ肉体的、精神的にストレスの解消に努めるだけでなく、人間としての生き方の基本や道徳の涵養の時として日曜日を用いることにもっと目覚める必要があると思います。

キリスト教会では、日曜日には礼拝会、また子どものための日曜学校等のプログラムがもたれています。生きることの基本を問い、また人間らしい生き方としての道徳の涵養に与る絶好の機会と思っています。

エリッヒ・フロムはその著書の中で、イスラエルが1900年のブランクを経て不死鳥の如く甦って国家を再建した秘密として、ユダヤ教の安息日を挙げています。どの宗教を選ぶかは個々人の自由ですが、日曜日をもっと健全な宗教による魂の養いの日として過ごすことが必要と考えます。

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