今週のメッセージ 2000.9.3

独りもの想う秋の到来

最近、英国のベストセラー作家コリン・ターナーの著作2冊を読んだ。いずれもPHPから出されたもので、1冊は『あなたに奇跡を起こすやさしい100の方法』(Born to Succeed)、もう1冊は『あなたに奇跡を起こす小さな100の知恵』(The Eureka Principle)。著者はもともと実業家で英国の不動産王として名を馳せたが、不況の波に遭遇して倒産。しかしその後、ビジネスコンサルタントとして成功を収め、それまでの人生において得た教訓をもとに書いたのが前述の2冊。英国の人々を勇気づけベストセラーになり、わが国でも翻訳されて、10万部を超える売れ行きを示しているとのことである。

著者はクリスチャンではないようだが、聖書の言葉も引用されており、また著者自身のものの考え方や生き方の中に聖書の影響を少なからず感じさせられた。「相手に与えたものだけが、けっしてなくならないものなのだ」といった著者のことばは、「虫も食わず、さびもつかず、また、盗人らが押し入って盗み出すこともない、天に、宝をたくわえなさい」というキリストの有名な山上の垂訓の中の一節(新約聖書・マタイ福音書6:20)と軌を一にするものと感じた。

著者はまた、毎日黙想のために独りになる時間を30分持つことを勧めている。現代人は忙しく生活し、暇が出来ればテレビ等で手っ取り早くそれをつぶす術を知っている。そのために独り静かに黙想する時が持てなくなってしまっているように思える。

今年も、昔から“もの想う季節”と言われる秋が巡ってきた。秋の夜長、テレビのスイッチを切って、聖書をひも解きながら、独り静かに瞑想の時を持つことは、意外にあなたの人生のオアシスになるかも知れません。

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