今週のメッセージ 2000.10.29

立ち直りにいちばん必要なこと

 外国に住みながら、遠い祖国日本の行く末を案じる一人の方の投稿記事(朝日)を紹介します。その方は現在ドイツに住み大学に通っておられる男性。というと若者を連想されるかもしれませんが、年令は77歳。

 ドイツには電車の駅に乗車券をチェックする改札口がないのだそうです。その方が友人に、「ただ乗りが出来ていいな」と冗談交じりに言ったところ、「俺たちは、そんなバカなことはしない。ちゃんと神さまが見ているんだから」と怒鳴りつけられ、赤面の至りだったそうです。

また、お隣りに住む若い民事の裁判官とはワインで夜を徹して語り明かす仲だそうですが、改札口のことを話すと、「改札口があるうちは、日本は善い国になれない」とのこと。その裁判官は口癖のように、「戦後、日本は経済で立ち直った。ドイツは違う。戦争中に犯した罪(ナチによるユダヤ人虐殺のこと)を聖書に立ち返り、神さまに悔い改めることによって立ち直った。エリートコースを歩んだ日本のリーダーたち、そしてすべての日本人はその真実を知らない。だから、いつまでたっても日本は本当に派立ち直れない」と言っているそうです。

 官房長官が一連のスキャンダルで辞任となりました。政界に限らず、こうしたスキャンダルが日常茶飯化してしまっているわたしたちの国です。

 確かにわたし達の国は、戦後、経済で立ち直りました。しかし、心的内実は、残念ながらかえって貧しくなっていると言っても過言ではありません。今こそ、真に立ち直るためのいちばん必要なことは、国、個人を問わず、〈神に対する悔い改め〉であることに気づかねばなりません!

 「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる。」 (新約聖書・マタイ4章4節)

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