今週のメッセージ 2000.11.5

聖書を初めて手にしたあなたへ

書店で手にしている本の内容を手っ取り早く知るために、その本の「あとがき」や「まえがき」をごらんになる方が多いと思います。

その方法で聖書を見るとするなら、新約聖書の中の『ルカによる福音書』の「まえがき」と『ヨハネによる福音書』の「あとがき」をごらんになるとよいと思います。

前書の「まえがき」には、その内容が、「わたしたちの間で実現した事柄」、つまり、この世界にあって主イエス・キリストにより実現した救いの出来事、であると記されています。

さらに、この「事柄」を「最初から目撃して」この世の人々に「伝えた」人たちがいたこと(最初は口伝でした)、しかしこうした目撃証人たちが次第にこの世を去って行く中で、「伝えたとおりに、物語を書き連ねよう」とその文書化を手がけた「多くの人々」が出たニ、そしてルカも「すべての事を初めから詳しく調べ」、「順序正しく書いて」、テオフィロに献呈したのが『ルカによる福音書』というわけです。その目的は、「お受けになった教えが確実のものであることを、よく分かっていただきたい」ためでした。

他方、後書の「あとがき」には主として著作目的が記されています。すなわち、「あなたがたが、イエスは神の子メシヤであると信じるためであり、信じてイエスの名により命を受けるため」というわけです。

わたしが初めて聖書を手にしたのは高校生の時でした。通学の東海道線の列車の中で新約聖書の最初の『マタイによる福音書』を読んだ時の戸惑いがなつかしく思い出されます。

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