今週のメッセージ 2001.1.21

 

あなたは何のために食べるのですか?
 
 「あなたは何のために食べるのですか?」「そんなことわかりきってるじゃないか、生きるためだよ。」「じゃあ、あなたは何のために生きるのですか?」「...」
 「ひとつだけ確実なことがあります。どのような社会をめざすにせよ、それを支える価値観や理念が必要だ、ということです」とは、1/8付『朝日』社説の中の一節です。当然過ぎるくらい当然のことですが、今このことが問われています。
 1/19付の新聞に、文部科学省の国立教育政策研究所が、小・中・高校生を対象に、勉強する意欲を起こさせるための策を探るための調査研究に乗り出すことになったとありました。従来の「いい学校、いい会社に行くため」という説明が説得力を失い、「勉強する理由がわからない」という子どもに、教師や親も答えられなくなっている、というのがその理由だということです。
 日本社会に内在してきた問題の根幹がついに表面化してきた感じです。詰まる所、何のために生きるか、がわからないのです。確かにこの問いに対しては、万人がすぐ納得するような答えを提示することは出来ないでしょう。しかし、未来を担う子どもたちの養育に最も深く関わる親も教師も、この子どもたちの切実な問いに対して、その答えを見つけるための糸口も示せないとは情けないことです。さらに、国の機関がこのための調査研究に乗り出すというのもいただけないことです。
 「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」(マタイ4:4)とは、まさにこの根幹的問いに関わる神からのメッセージなのです。今こそ人は、真の宗教に目覚める時です!