今週のメッセージ 2000.2.11

聖バレンタイン・デーに思う

今週水曜日(2/14)は「聖バレンタイン・デー」と呼ばれ、女性から男性へチョコレートのプレゼントに託して愛を告白する日と言われています。その由来は、一説には、若い恋人達の恋の成就の為に尽力した聖バレンチヌスという人が死んだ日、とのことです。しかし、AD270年2月14日に、バレンチヌスという人が死んだことは歴史の上に記録されていますが、その人が恋人達の味方として活躍したことは愚か、どんな人物だったかも定かではないようです。チョコレートに託した愛の告白の日というのは、どうやら日本独特のようですし、製菓会社のチョコレート販売戦略の中で1960年頃から広がったという辺りが事の真相のようです。従って、根拠も曖昧、その意義も普遍的なものではありません。

ところで本日は「建国記念の日」と呼ばれる国の祝日です。その前身は「紀元節」で、その起こりは、日本書紀に基づいた神武天皇の即位記念日ということです。しかし歴史的根拠は曖昧な上、その根底に、戦前、戦中の統帥権の独立を叫ぶ陸・海軍の横暴、靖国神社を中心とした宗教的権威の主張、万世一系を称える天皇中心主義等が介在し、国家権力が国民を操る為に利用された過去の経緯があります。国会の審議を経ることなく、1966年に政令によって定められたこの祝日は問題ありと言わざるを得ません。

真の祝日は、確かな根拠、普遍性そして人間の存在とその生き死にの根幹に関わるものであるべきです。その点で、クリスマス(キリスト降誕日)、イースター(キリスト復活日)、ペンテコステ(聖霊降臨日)はまさに祝日の中の祝日といえます。因みに今年のイースターは4月15日(日)です。是非、最寄りのキリスト教会へ出席され、その祝福に与られることを心よりお勧めします。