今週のメッセージ 2001.5.20 

星野富広さんを救った聖書のこと

『花の詩画展』で知られる星野富広氏の著書「新版 愛、深き淵より」を読んでいて、絶望の淵に沈んでいた星野さんを救ったのは、「労する者、重荷を負う者、我に来たれ」という新約聖書の中の『マタイによる福音書』1128節のことばであることを知りました。しかも、星野さんとそのことばとの最初の出会いは、星野さんがまだ高校生だった頃、家の農作業の手伝いで豚小屋の堆肥を入れた籠を背負い、家の裏山の斜面にある畑へ運ぶ途中、小さな墓地のまだ立てられて間もない真っ白な十字架に筆で書かれてあったのだそうです。そのお墓のそばには花束が添えてあったとのことですから、葬られて間もないクリスチャンのお墓だったのでしょうか。

大学を卒業、群馬県高崎市の中学校に体育教師として赴任、放課後のクラブ活動において空中回転の模範演技の際、頚髄損傷の大怪我をされ、以後首から下が麻痺した体となってしまわれました。絶望の淵をさ迷う中、聖書に触れ、その中に先の聖書のことばを見つけた時、自分がまだ健康で聖書について何も知らないで飛び回っていた頃からすでに、神さまはそのことばを自分に与えて下さっていたのだと思われたそうです。そして、「我に来たれ」と言われるその方のそばに行きたい、素直について行きたい、と思われたのが洗礼に導かれた動機とのことです。

星野さんのお体の方は以前と変わりなく首から下は麻痺状態のままです。しかし、星野さん自身は、何度も自殺を考えた頃とは打って変わって、怪我をして良かったとまで述懐されるほど大きく変わられました。主イエスとそのことばが星野さん自身を死から命へと移し変えたのです。

「命を与えるのは“霊”である。...わたしがあなたがたに話した言葉は、霊であり、命である。」(新約聖書・ヨハネによる福音書663節)