今週のメッセージ 2001.6.24

共有している変わらないもの

21世紀を迎えたこの初年もあと1週間で半年が過ぎようとしています。

最近、キリスト教も2000年の歴史を持つようになったんだとしみじみ思います。そしてその年月の長さも然る事ながら、その間、変質・変形することなく、キリスト教信仰が21世紀の今日にも伝えられていることに驚異を覚えます。2000年前、キリスト教徒がイエス・キリストに対して持った信仰と、現代のキリスト教徒が持っている信仰と、その本質・基本においては変わらないのです。とかく変化や違いが強調され、そこに関心が向きがちですが、この2000年間、変わることなく、世界中で共有されてきたものがあるということにことにもっと目が向いてよいと思います。

その秘密はどの辺りにあるのだろうかと考えてみます。

一つは聖書です。66巻から成る聖書の最後の部分に、付け加えることも取り去ることも禁ずる言葉が添えられています。キリスト教会はこのことを忠実に守ってきました。

もう一つは信仰告白の共有です。聖書が変わらなくとも、聖書に基づいてイエス・キリストをどのように信じるかが変化したら必然的に変わってしまいます。しかし、キリスト教会は、カトリックもプロテスタントも信仰告白の最も基本になる「使徒信条」と呼ばれるものを共有してきました。使徒信条はその名が示す通り、初代教会の使徒と呼ばれた人たち(イエス・キリスト行動を共にした人たちの中核)が信じ、かつ伝えた信仰です。それを200年来キリスト教会は共有してきたのです。

2000年来変わることなく、しかも21世紀の今日でもそれを信じて生きている人たちが世界中に存在するキリスト教というものに関心も持って、最寄りの教会を訪れて下されば、このコラムニストの無上の喜びです。