今週のメッセージ 2001.7.8

われひとり神の前に立つ

例の小泉内閣メールマガジンは、先月末で発行部数が200万部を突破したとのことです。いささかミーハー的かなとも思わないでもありませんが、実はわたしもその中の一人です。

7/5号は米・英・仏を歴訪して帰国された小泉首相のメッセージが早速掲載されていました。そのタイトルは「リーダーは孤独」です。各国首脳と話し合う中で「リーダーは孤独である」との言葉が思い出されたそうです。「責任ある立場にいる人こそ、孤独、つまり、一人静かに考える時間が大事だと思う」と書かれていました。

しかし、リーダーに限らず人間は皆、本来孤独な存在です。一人で生まれ、一人で生き、そして一人で死んで行くのです。誰も代わってあげることはできないのです。

ところで、キリスト教のカトリックもプロテスタントも共有している「使徒信条」と呼ばれる信仰告白があります。その出だしは「われは信ず」です。「われら」という複数ではなく、「われ」という単数なのです。われ一人神の前に立ち、自己の主体性と責任において自らの信仰を告白するのです。“赤信号みんなで渡れば...”式ではないのです。

とかく数の多い方に迎合し、ついには数の多さイコール正しいとの公式を成立させがちな体質をわたしたち日本人は持っているように思いますが、小泉首相の言を待つまでもなく、人間は本来皆孤独なのです。だとするなら、潔くわれ一人立ち、自分の生き方を主体性と責任を持って決めたいものです。その時、心底から信頼して依拠できるのは神の言葉なのです。

「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる。」(新約聖書・マタイ44節)