今週のメッセージ 2001.5.8

不揃いの木を組む

 今、うちの教会で増築工事が行われています。19年前に建てたプレハブが老朽化した為、それに代わる建物を会堂増築のかたちで行っているわけです。一昨年は会堂そのものの外壁等の修復工事をいたしました。その時点で会堂は築後17年でした。つまり両方とも20年足らずで手を入れる必要が生じたわけです。そうして見ると、法隆寺の1300年という耐用年数は驚異の他ありません。

ところで、標題の「不揃いの木を組む」は、実は今読んでいる本(小川三夫著、草思社)のタイトルをそっくり拝借したものです。小川氏はあの法隆寺の宮大工棟梁として有名な西岡常一のお弟子さんです。西岡棟梁は今から6年前に他界されましたが、小川氏は現在、宮大工の工人集団を率いて宮大工のお仕事をされつつ弟子の育成に努めておられます。

氏の著書を読みながら、氏の師匠であった西岡棟梁のがその著書「木のいのち木のこころ」の中で言われていたことをふと思い出しました。「木は人間と同じで一本ずつが全部違うんです。それぞれの癖を見抜いて、それにあった使い方をしなくてはなりません。そうすれば、千年の樹齢の桧であれば、千年以上持つ建造物ができるんです。これは法隆寺が立派に証明してくれています」。

とかく画一的になりがちな現代にあって、あらためて不揃いのものを上手に組み合わせることによってこそ、真に丈夫なものが出来るのだということを再認識させられたことでした。そして主イエスこそ、わたしたちをそのように組み合わせて生かして下さる最高の棟梁だと思ったのでした。

「あなたがたはキリストの体であり、また、一人一人はその部分です。」

(新約聖書・?コリント12:27)