今週のメッセージ 2001.8.19

ただ信じなさい

「イエスはその話をそばで聞いて、『恐れることはない。ただ信じなさい』と会堂長に言われた」。(新約聖書・マルコによる福音書5:36)

冒頭から聖書のことばで引用で面食らっておられる向きもあるかと思いますが、わたしたちの人生の歩みにおいてとても支えになることばです。わたしたち人間は、「死」に対しては全く無力です。どうすることも出来ません。またそれとは別に、わたしたち人間は未来を先取りする能力を持っています。しかし、それがかえって思い煩いや心配の因になったりします。

冒頭の聖句には、ユダヤの会堂長でヤイロという人が、死にかけていた幼い愛娘の救いを主イエスに求めたことが背景にあります。その願いを受け入れたイエスが、ヤイロの家に向かっている途中、家から使いの者がやってきて、その幼い娘がついに息を引き取った故、わざわざお越しいただく必要はなくなったと告げたのです。万事休す、がっくりと肩を落とすヤイロに、主イエスが語りかけたお言葉が冒頭の聖句なのです。そして、ヤイロの家に到着されたイエスは、娘を甦らせる奇跡をなさったのです。

「恐れることはない。ただ信じなさい」。先行きへの思い煩いや不安を乗り越える手立ては、主イエスのお言葉を信じることです。主は言われます、「明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である」(新約聖書・マタイ634と。

「死」の不安や恐れを乗り越える道もやはり主イエスの約束の言葉を信じることです。主はわたしたちの復活を約束されています、「わたしは復活であり、命である。わたしを信じる者は、死んでも生きる」(同・ヨハネ1125と。「恐れることはない。ただ信じなさい」、と主は言われます。