今週のメッセージ 2001.11.11

天地が滅びても滅びない言葉がある

「テロは世界を変えたか」というテーマで、『朝日』がインタビュー記事を連載しています。語り手として既に、長老格政治家の中曽根康弘氏、不破哲三氏、宮沢喜一氏、次いでリーダー格政治家の中から小沢一郎氏、鳩山由紀夫氏が登場しました。そして今回は、新たに長老格哲学者の中村勇二郎氏が語っていました。興味をもって読みました。

氏は冒頭で、惨事の映像(ニューヨーク)を繰り返し見る中で「黙示録」という言葉を思い浮かべたこと、またその言葉に該当するアポカリプスというギリシャ語は、隠している覆いを取って見せる、という意味があることに言及していました。聖書の最後の書『ヨハネの黙示録』が、この世の終りとその後に到来する神の国について黙示文学のかたちで語っている書であることを思う時、氏の発言は興味深いものに感じられました。

氏はまた、これまで西欧中心的な価値観に捕らわれていた結果、イスラム問題やアジヤの存在を軽視してきたことを反省され、「民族や宗教の違いを超えて人類を結びつける新しい哲学が、いま再び求められている」と結んでいました。

哲学も人間の知の営みである以上、自ずとそこに限界があることをあらためて思いました。

今回のテロ事件が、ともするとイスラム教とキリスト教の対立のように図式化されがちなのは残念です。さまざまの誤解を生むからです。ところで聖書は、世界の終りについて語っており、また、天地が滅びても滅びることがない言葉が語っています。今こそ、人は聖書に傾聴すべき時です!

 「天地は滅びるが、わたしの言葉は決して滅びない。」

(新約聖書・マタイによる福音書24:35)