今週のメッセージ2001.12.23

平和の君

 

救い主イエス・キリストが誕生に先立つこと700年以上も前に活躍した預言者にイザヤがいます。彼は、キリストの降誕に関し次のように預言しました。

「ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。ひとりの男の子がわたしたちに与えられた。権威が彼の肩にある。その名は、『驚くべき指導者、力ある神永遠の父、平和の君』と唱えられる。」(イザヤ95

その名は「平和の君」と唱えられるとあります。この預言の成就を裏付けるエピソードは数限りなくありますが、その中のひとつを紹介してみましょう。「戦場のクリスマス」として知られる有名な歴史上の出来事です。

1次世界大戦中、イギリス軍とドイツ軍がフランスの戦場で戦っていた時のことです。両軍は何キロも続く塹壕を掘って向かい合い、戦況は硬直状態となっていました。クリスマス・イブの寒い夜です。イギリス軍の見張りの兵士が、ドイツ軍の塹壕から小声で歌う「きよしこの夜」を聞きつけました。そこで彼も「きよしこの夜」を歌い出しました。やがてそれは両軍のクリスマス・キャロルの大合唱に発展し、ついには塹壕から出て、両軍の間にある広場は、両軍兵士の交わりの場となったのです。

しかし、クリスマスの朝がやって来たとき、事態を憂慮した高官たちが兵士達を塹壕に呼び戻し、「われわれは戦うためにここにいるのだ。クリスマスを祝うために来ているのではない」と叫びました。再び戦いは始まったのでした。

しかしそれまでの数時間は確かに戦いは止んでいたのです。それは彼らがその数時間、イギリスの国王でもない、ドイツの皇帝でもない、本来仕えるべき真の王に仕えたからでした。その王の名は「平和の君」です。