今週のメッセージ 2002.1.6

真のグローバリゼーションに必要なこと

 

 元日の朝の新聞(朝日)第1面にすてきなことばが紹介されていました。「好ましいグローバリゼーション?それはハリウッド的な大音量のスピーカーによる支配ではなく、世界の小さな声にお互い耳を傾けあえることでしょう」という、韓国の映画監督イ・チャンドン氏のことばです。

とかく大きな声が力を持ちがちです。しかし、小さな声を互いに聞きあうことこそより大切なことでしょう。このことばには、グローバリゼーションの名の下に世界を米国化しようとする米国に対する批判の響きが感じられるように思います。なにしろ、世界がもし100人の村だったら、全世界の冨のうち、6人が59%を持っていて、みんな米国人。74人が39%を、20人がたったの2%を分け合っている、と言われます。この超大国アメリカは、「国際機関や他国をとかく自国利益追求の道具としか見ない」(朝日)ところがあり、このアメリカの「振る舞いが根本的に変わらない限り、今後の世界は前進しようがない」(同)と批判されています。

しかし、小さな声に耳を傾け合うことも大事ですが、その前に、大きな声の者も小さな声の者も、また、富める者も貧しい者も、こぞって耳を傾けるべき声があることをご存知ですか?

「諸国の民よ、これを聞け/この世に住む者は皆、耳を傾けよ/人の子らはすべて/豊かな人も貧しい人も。」(旧約聖書・詩編4923)。

 これは旧約聖書のことばですが、新約聖書の中にある一般的に最もよく知られている聖書の言葉に、「人はパンだけで生きるものではない。神の口から出る一つ一つの言葉で生きる」(新約聖書・マタイ4:4)があります。真のグローバリゼーションは、何はともあれ、先ず神の声にすべての者が耳を傾けるという基盤の下に、はじめて可能になるのだと信じます。