今週のメッセージ 2002.2.24

“自然界の春”と“こころの春”

昔の暦は実によくできていると、こどもの頃から思ってきました。「立春」の頃になると、依然として気温は低く寒いものの、なんとなく陽射しが明るくなり、木の蕾もふくらみが感じられるようになります。また、「立秋」の頃になると、日中は依然暑さは厳しいものの、不思議と朝夕に秋風が立つようになり、去り行く夏の気配が感じられる時期となります。

今年は24日が立春でした。だいぶ寒さも和らいできました。春の訪れです。自然界は時の流れの中で、実に規則正しくきちんと季節をめぐらせています。

季節は春がめぐって来ましたが、わたしたちのこころの季節はどうでしょうか。いつまでたっても厳冬から抜け出せないことも、長い人生の中にはあるものです。

キリスト教会の暦では、今月の13日(水)から「レント」という期間に入っています。日本語では、「四旬節」とか「受難節」と呼ばれています。主イエス・キリストの復活を祝う「イースター」(復活日)の前の40日間(厳密にはその間の6つの日曜日を除く)をいいます。この期間はイースターへの備えの期間で、キリストの十字架の出来事の意味を問い返しつつ、自らの生き方を吟味して過ごす時です。キリスト教会がその信仰の営みの中でこうした期間を生み出したことにはそれなりの先人たちの信仰的英知があったと思います。イースター(復活日)を“いのちの開花”に先立って、、その“いのちの蕾”となるキリストの十字架の受難が不可欠なのです。

“こころの春”の訪れを模索されているあなた、是非、最寄りの教会に行かれ、キリストの十字架のメッセージを聴かれることをお勧めします。すると、間違いなくあなたのこころにも“春の訪れ”がやってきます。