今週のメッセージ 2002.3.31

キリストの復活は超自然的な歴史的事実

新約聖書の最初に置かれている、主イエス・キリストの地上生涯を伝える四つの福音書は、四つとも共通して主イエス・キリストの十字架の死と三日目の復活を語っています。『ヨハネによる福音書』などは全体の半分近くをこのことの記述に費やしています。それほどに十字架と復活はキリストのお働きの中心となっているものです。

十字架がこの歴史の中で起こった事実であるのと同じように、復活もまた歴史的事実なのです。近年、イエス伝研究なるものが盛んに行われ、一方においては歴史的イエス像に拘る余り、革命家、平和運動家のようなイエスが紹介されたり、かと思うと、歴史的事実を云々するより、初代教会が伝えようとした使信が大事とする中で、歴史的事実性が曖昧にされたキリストが語られる傾向が生じてしまいました。かくして、超自然性や歴史的事実性が著しく損なわれたイエス・キリストが語られる結果となってしまったのです。

しかし、聖書が語るキリストは、この歴史の中で事実死から甦られた方、肉体をもって甦られた超自然的存在としてのキリストを伝えています。

女学校の1年生の頃ハンセン氏病を発病、以来瀬戸内海の長島愛生園で、81歳まで生きて天に召された玉木愛子という方の詠んだ句があります。

 毛虫匍えり蝶と化る日を夢見つつ

歴史の中で、事実、肉体を伴って甦られたキリストを信ずればこそ、持つことの出来る復活の希望です。

キリストの復活は、死の暗闇が支配するわたし達の人生に命の光をもたらしました。このキリストを信じる時、復活の希望の中に生きることが出来るのです。最寄りの教会で是非、復活祭のメッセージをお聴き下さい。