今週のメッセージ 2002.10.27

キリスト教会が伝道するわけ

 秋も酣(たけなわ)、暑からず寒からず、快適な時節です。この時期、キリスト教会では伝道集会なるものを開催するところが多くあります。実は、わたしたちの教会でも昨日そして今日と秋の特別集会を開いています。

 キリスト教会ぐらい集会を頻繁に行う宗教も他にはないのではと思います。それらの集会の趣旨は詰まるところ、伝道です。

 キリスト教会が伝道に励むのは、信者の数を増やし勢力拡大をはかるためなどではなく(一般的にはそんなふうに思われている向きもあろうかと思いますが)、実は主イエス・キリストから命ぜられているからです。そして、主イエスのそのご意図は何かと言いますと、それはわたしたち人間のトータルな人間回復のためなのです。

 トータルな人間回復についてもう少し具体的に示すならば、次の四つに集約できるでしょう。

 第一は、虚しさからの回復です。生きること自体に意味を求める人間は虚しさには耐えられないからです。

 第二は、寂しさからの回復です。人間は本来一人では生きられない存在です。孤独には耐えられないからです。

 第三は、罪責の苦しさからの回復です。誰にも知られてないとわかっていても、人間の心は犯した罪に苦しむからです。

 第四は、死の恐ろしさからの回復です。人間は元来、死を恐れ厭います。しかし、一人の例外もなく、いつか必ずその時を迎えなければなりません。死の恐怖そして死そのものからの救いを人間は必要としているからです。

 キリストはその意味で救い主であられ、教会はこのキリストをつたえるためにこの秋も伝道に励んでいるのです。