今週のメッセージ 2002.11.24

悲観と楽観

ノーベル化学賞受賞で大きな話題を呼んだ田中耕一氏が所属している会社が島津製作所。その社長さんは矢嶋英敏氏という方。ご自分の会社でノーベル賞級の研究をしているなどとは全く思っておられなかったとのこと。

なぜ、島津製作所からノーベル賞受賞者が生まれたのかの問いに対し、氏は、比較的、研究の自由度を確保してきた社風があること、それと共に、人的にも資金的にも、「7割は明日の飯のタネのために使うが、残り3割は次世代に芽が出るかもしれない基礎研究に充ててきた」ことだと言う。昨日の土曜日、朝日のbe面に掲載された記事である。

あらためて目先のことだけでなく、視界を未来に広く広げて生きることの大切さを教えられる。

記事の中に矢嶋社長の信条として、「悲観論は気分の問題、楽観論は意志の問題」、とあった。「楽観論は意志の問題」という言葉に引かれた。

これをキリスト教信仰の立場で言いかえるならば、以下のようになると思う。

神の約束のことばを信じる。その信仰を土台として意志を持つ。そこに悲観論に埋没しない、さりとて闇雲に楽観するのでもない、真の楽観論に根ざした意志が生まれる。

新約聖書に次のようなことばがある。

「もし神がわたしたちの味方であるならば、だれがわたしたちに敵対できますか。わたしたちすべてのために、その御子をさえ惜しまず死に渡された方は、御子と一緒にすべてのものをわたしたちに賜らないはずがありましょうか。」(ローマ8:31、32)

神が味方になって下さるような生き方が、まず基本的に大事なのです。