今週のメッセージ2003.2.16

人はどこから来て、どこへ?

タヒチの女性を描いたことで知られる画家ゴーガン(1848-1903)の傑作の一つに“われらどこより来たり、何であり、どこへ行く?”があります。画面上隅にこのタイトルが記されています。画面には両手を広げて立つ偶像、若く美しいタヒチの女性、今まさに死に赴かんとする老婆、鳥等が描かれています。彼はこの作品を描き上げると急いで署名し、砒素を飲んで自殺を企てたが未遂に終わったと伝えられていますから、タイトルの問いに対し、肯定的で希望のある答えは見出せなかったと思われます。

サマセット・モームの作品『人間の絆』は彼の自伝小説と言われますが、作中の主人公フィリップ・ケアリが思い出す話として『東方の王様の話』があります。スペースの関係で詳しくは記せませんが、王様は人間の歴史を知ろうと願い、ある賢者から500巻の書を与えられます。しかし国事に多忙な王様はそれの要約を命じます。そして最後にはわずか一行に要約されるのですが、それがなんと、“人は、生まれ、苦しみ、そして死ぬ”だったのです。

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』の著書で知られる経済学者でありかつ社会学者でもあるマックス・ウェーバーによると、宗教の出発点は“人間はどこから来て、どこへ行くのか”という問いにあったと言います。その確かな答えを見出せなかったゴーガン。生まれ、苦しみ、死ぬ、としたモーム。では、あなたはどのようにお考えですか?

聖書は以下のように語っています。

「万物は、神からいで、神によって成り、神に帰するのである。」

(新約聖書・ローマ11:36、協会訳)

詳しくは、最寄りのキリスト教会を訪れることを心よりお勧めします。